管理局外世界の住人 11
元々書いていた下書きから路線を大幅に変更してまとまりやすくしてみましたw
ほぼ3時間ぶっ続けで書いたため、仕事も大遅刻ですww(マテ
やはりA's最後の話なので感慨深い内容で収まりました...
これでなんとかStSの話へ持っていけます...
では、本編です
どうぞ〜
12月31日
地球の暦で大晦日
ついにこの日がやってきてしまった
本局の無限書庫に籠もりっきりで資料を漁る
ユーノ君やなのはちゃん、フェイトちゃん
そして独自に動いているクロノ君とリンディ艦長
そして未だに眠っているはやてちゃんに付きっきりな
闇の・・・いや、リインフォース
守護騎士のみんなも心あらずって感じで
アースラの休憩室に居る所を度々かけている
そして気になるのは民間協力という形で参加しているシュウジという人
リインフォースの話の後、姿が見えなくなっている
クロノ君に聞くと「やることがあるから別行動している」とのこと
何を考えているのか解らない人だけど、
何かを期待している自分がいた..
アルカンシェルで破壊できなかった
闇の書の防御プログラムを破壊できた彼だから...
−管理局局員 アースラ艦所属 エイミィ=リミエッタ の日記より
管理外世界の住人 11
12月31日
第97管理外世界 地球 海鳴市 桜台付近
「とうとうこの日がやってきてしまったか」
そう呟くリインフォースの傍らには何もない
あるのは彼女の目の前に広がる雪に包まれた海鳴市の景色が...
それを美しいと思える自分が居た
「私はこの景色を、美しいこの世界を破壊せずに済んだ
それだけでも充分だ」
そして彼女の後方に出現する気配が3つ、4つ
その殆どが振り返らなくとも判る馴染みある者たちだ
「来てくれたのだな」
そう出迎えるリインフォースに顔が向けられない目の前の人たち
なのは・フェイト・アルフ・ユーノである
「・・・・・・
ごめんなさい....」
「・・・・??
謝れる理由がわからないのだが」
小さな声だがはっきりを謝罪を述べるなのはに
困惑した声を出すリインフォース
「貴女を助けるって言ったのに何も見つけられなかった...
だから・・・だから・・・」
「それについては僕にも責任がある...
せっかくの知識も、それらを発揮できる場所も与えられたのに
結果が出せなかったし」
なのはに続きユーノも続けとばかりにリインフォースに謝罪するも
それをやんわりと返すリインフォース
「良いのだ。 元々これをどうにかできるとは思っていなかったしな」
と自身の胸の奥にあると思われる核の部分を触れつつ呟く
「でも・・・、でも!
貴女はそれでいいの?!
はやてに別れを告げずに逝くつもりなの・・・!!?」
「もう決めた事だ、変える気はない
それに優しい主のことだ 私一人で逝く事は絶対に許さないだろう
・・・・大丈夫だ、主には守護騎士たちが付いている」
フェイトの叫びに似た声すらリインフォースには届かない
”もう決めたこと”として耳を貸さない
「それでも・・・、貴女が、貴女だけが逝ってしまうなんて・・・
・・・・悲しすぎるよ... うっうっ...」
涙を流すなのはに、慰めるように傍へ寄り、
大きな手で彼女たちの頭を順々に撫でてやる
その仕草で流れる涙はそのままに顔を上げるなのは
「やっと私を見てくれましたか、高町なのは」
「・・・りいんふぉーす・・・さん」
「貴女もその名で呼んでくれるのだな」
涙声のなのはに苦笑しつつも隣に佇んで居るフェイトの視線に気付く
「貴女を空に還すの、本当に私たちでいいの?」
「あぁ、お前たちだからこそだ...」
フェイトの戸惑いが混じった声にもはっきりと返すリインフォース
「私を止めてくれたお前たちだからこそ頼みたいんだ」
「それを言うならシュウジさんも...だよ」
「あぁ彼か...彼も彼なりに動いてくれていたみたいだが間に合わなかったか」
リインフォースの頭の中に浮かぶのは
あのアースラ内で激怒したシュウジの後ろ姿
あの殺気を込められた視線に射抜かれたら
今度こそ自分は何も出来ずに逝けるだろう
そんな予感もした..
ふとなのはたちの後ろからこちらに向かってくる気配が4つ
リインフォースからは見えているし、
その気配、魔力反応もいつも感じているものだ
「待たせたな」
簡潔に赤毛の髪をポニーテールで纏め上げた女性、シグナムが言った
後ろではシャマル・ヴィータ・そして狼状態のザフィーラが控えるように来た
そして全員がそろったことを確認してリインフォースが静かな声で呟いた
「さぁはじめよう...
夜天の書の終焉だ...」
ベルカ式の3つの頂点にそれぞれなのは・フェイト・ユーノが配置、
その真ん中にリインフォースが入る
なのはとフェイトがリインフォースを空に還す実行役、
ユーノはそれらをちゃんとリインフォースへと伝達させる制御をするのと
他人が入ってこられないように結界を張るという作業をそれぞれ担当している
守護騎士の4人はベルカ式の先のもう一つのベルカ式魔方陣に配置
誰一人として言葉を発しない
誰もがこの状況を憂いでいる
−こんな事は絶対に起こさない
−こんな理不尽は認めない
−主の笑顔を護るのは私たちだ
リインフォースは自分に向けられた彼女たちのデバイスに向かって礼をいう
「短い間であったが世話になった」
『Don't worry. (気にせずに)』
『Take a good journey.( 良い旅を)』
「・・・ありがとう
おまえたちも主たちを大切にな...」
リインフォースを包み込むように光が集中する....
なのはやフェイトは泣きそうな表情を崩さずに最後までその姿を
目に焼き付けようとしている
「待つんや、リインフォース!!」
光が弾けようとしたその時、空から聞こえてくるはやての声
全員が空を見上げるとはやての姿が・・・
いや正確にはシュウジに抱えられたはやてだが...
はやてがここへ辿り着けるはずがない、この場にいた全員が思ったこと
はやては足が不自由だ、
だから車椅子で来ることが困難なこの場を指定したのだ
だがその考えも目の前の彼が一緒と云うのであれば霧散する
だが、彼は何故ここにはやてを連れて来たのか
それが不愉快でもあった...
「何故連れてきた...」
はやてを抱えながら地面へと降り立った
シュウジに冷ややかな視線を送るが
それには目もくれずはやてを地に下ろす
だが、まだ足が不自由なため立つことすらままならないので
シュウジに肩を貸してもらい支えた感じでようやく立っている状態だ
「まだ逝ってはあかん! リインフォース!!」
だがその状態がなんだとばかりに崩れる身体を引き摺ってでも
リインフォースへと近づこうとするはやて
彼女ともに手を貸すシュウジの顔はどこか虚ろ
彼自身具体的な策を見つけることが出来なかったのだろう...
悔しさが滲み出ているかのようだ...
「これでいいんです、主はやて。
治す事が出来ないダメな魔導書は消えてしまわないと...」
「あのプログラムやったら時間をかけてやれば何とかできる!
だから死に急いだらアカン!!」
「私は幸せな魔導書です、主から絶大な信頼を得て逝けるのですから...
だから、私が居なくなっても代わりに騎士たちがいます...
私の分まで生きてください」
「そういうことを言うんじゃない! 今の主はわたしやろ?!
主のゆうことは絶対や! 言うことを聞いてな、リインフォース!」
「主はやて、どうかご自愛ください。 一時の感情で一体どれだけの犠牲が
起こるかわかりません。 今度ばかりは主の命さえ・・・」
「そんなもん、わたしがなんとかする!! だから逝かんといてや!!!」
肩を貸しつつ、それを見守っていたシュウジもそっと口を出す...
「オレもお前を助けるといっておきながらこの様だ
オレはお前を助けることが出来なかった
許してくれとは言わん、だができるだけの願いは聞いてやる..」
「そうか、心強いな。 お前の言葉だけでも心が軽くなるよ
私の願いは『主はやての幸せ』だ。 これだけは護ってくれ...」
「はやては『お前』が含まれている幸せを願っているのにか?」
・・・そう、はやての願いは『みんな含めた幸せな場所』に対して
リインフォースのは『主はやての幸せな場所』という願い
どちらも似てはいるが根本的に違うところがある
主観を『主はやて』なのか『みんな』なのかということ
その違いだけである...
「私は不幸な魔導書だ、
最後の最後まで主の手を煩わせるどうしようもない魔導書だ
だからこそこんな私なんぞ捨てて幸せに過ごしてもらいたい、
それだけを願っている
それに私がいなくなっても守護騎士は残る...、
彼女らに主はやてと後の人生を生きてもらいたい...
それを遠く空の上で見守っていく...、そういうのも悪くはないだろうか?」
「・・・・・・・・・・。
否定はしない。 それにオレも似たようなものだしな(笑)
ならば・・・不義を働くお前を空に還すのは、なのはたちでは不適任だ
オレが最後の介錯を務めてやる...
なのは、フェイト、構わないか?」
突然なのはたちに振ったのであたふたとしているが
それでも充分に考えた後シュウジに向かい首を縦に振った
「ありがとう...なのは、フェイト」
「そんなシュウジさんまで?! 私を裏切るんか!?
リインフォースの説得するって言葉は嘘かいな!?」
彼は肩を貸していたはやてを地面に下ろし、同じ目線で見つめながら対話する
「・・・・、嘘ではない。
現に彼女と対話して説得が不可能であることが判った。
彼女は死を受け入れている、それに対する恐怖感などはない
ただ一つの恐怖と言えば、
キミがこの先リインフォース抜きで生きていけるか?
という事だけだ...
・・・失礼な言い方をするがキミは誰かを頼って生きていくという人生を
これからも送るつもりなのか?
身寄りがなかった今までの人生を投げ捨てて...」
「・・・・・・・・・・・・・・。
そんなわけあらへん! わたしは今まで一人で生きてきた
そこにシグナムやヴィータ、シャマル、ザフィーラといった家族が出来た
それにリインフォースも...。
正直この中の誰かが欠けてしまうのだけでもとても悲しい...
もうわたしは独りじゃ生きていけん。
人のぬくもりっちゅーもんを知ってしまったから」
「だが、逝くときは一人で逝く。 人生とはそんなものだ
誰かに看取られて逝けるというのは幸せなことだ
そう、とても幸せな事なんだよ...」
遠き日、あの紅い光景の中家族を失った彼が
思い浮かべるのは家族の姿...
幼くして死んでしまった妹の姿はいまでも鮮明に残っている...
それを見つめることしか出来なかったあの悪夢は...
「だから・・・リインフォースは幸せだと思う。
少なくともキミやたくさんの仲間がここにいる
みんなキミとリインフォースが見つけた絆だ
・・・その絆で結ばれたみんなが集まってくれている
悲しい中、誰一人として文句を言わない..
そんななかで一人で駄々をこねているのはどうだ?」
「・・・・・・・・・ずるい・・・・
そんな言い方されたらわたしが悪役みたいやねん
・・・・しょうがないわ!
リインフォース!!」
やれやれといった口調で慣れない足に力を入れて立ち上がろうとする
手伝おうとする守護騎士やシュウジの手を断ってどうにか立ち上がって・・・
(シュウジも微力な手伝いとして、はやてのいる空間の重力を
ちょっと下げて楽に立ち上がれるように手助けする)
「はい、主はやて」
「主として、夜天の書の主として命じる・・・
・・・・元気でな・・・・」
「・・・・・ぃ
・・・はい!
ありがとうございます、主はやて」
そう言って、はやてはリインフォースに背中を見せる
その背中にはいろいろなものが混ざっているようにも見えた
その姿は堂々としていて、守護騎士もなのはたちも声を掛けれなかった
「よく出来たな、はやて」
そういったシュウジの胸にうずめるようにして倒れこみ、
声に出さないようにして泣いている
胸が濡れるのを無視してシュウジは目の前にリインフォースに向かい言った
「オレからもなにか贈ったほうが良いのか?」
そんな言葉が彼から聞けるとは思ってもなかったリインフォースは
ちょっと驚いたあともったいぶるようにして近づき耳元で囁く....
「お前から何かを貰うことは・・・・特に無いかな。
・・・ただまぁ(...これくらいはいいだろうな....)」
ぼそぼそと呟く彼女の声はシュウジには届かない
「おい、なにをいっ・・・・」
軽く口元に感触...、それが2回
しかも2回目はより長く、情熱的に...
行動を終えた彼女の表情は真っ赤だったが、
それ以上にしてやったりといった顔があり
シュウジは怒ることすら出来ずに、ただちょっと赤らめた顔で
「それは反則だ」
と返すことしか出来なかった
周りの反応と云うと、シグナムは真っ赤、ヴィータも真っ赤、
ザフィーラは何とも無い表情をしているがちょっと動揺してるのが目に見える
シャマルはあらあら・・・といった感じで微笑んで見つめている
なのはたちとフェイトたちも真っ赤になった顔であたふたとしながらも
互いに見やって笑っていた
はやてはその現場を至近距離で目にしてしまったため真っ赤になって気絶してしまった
「さて、そろそろ眠りに就くとするか...
ではシュウジよろしく頼む..」
散々引っ掻き回しておいて悠々とステップすら踏みそうな感じで
元の位置に戻るリインフォースに一同の緊迫した空気が流れる...
気絶してしまったはやてをそっと雪の上に横たえながらシュウジは
彼女の正面に立った...
「・・・やれやれ、最後まで引っ掻き回しおって...
誰に似たんだか...」
愚痴るシュウジの表情もどこか晴れやか、
それを返すリインフォースもまた然り
「きっとお前が移ったのだろう(笑)
さぁ、やってくれ・・・」
「あぁ....、
来い!『孔鬼』!!」
シュウジの左腕が空へ伸ばす、手の中に生まれる感触、
それを握ると剣の柄の部分となる
それを正眼に構えると実刃が出現、目の前のリインフォースに向かって構えた...
「最後に一つだけ、もし生き返ったら何がしたい?」
「最後の最後でそれか...
そうだな、今度こそ主に仕えてみたいな...」
「それが願いというか願望か?」
「あぁ」
「・・・・
いつか叶えてやるよ....」
「リインフォース、シュウジさん。 それ死亡フラグやで(笑)」
いつの間にか復活していたはやてがため息をつきながら
言った台詞に当事者どころかその場の全員が噴いた
「「「「「はははははははははは」」」」」
「「ふふふふふふ」」
「「くくくくくく」」
「そんなに笑うことないやんか!」
「ふふふ...
これから逝く者に向かって死亡フラグとは...
やはり主は楽しいお方だ...」
「あぁ・・・ホントだな...
じゃあな、リインフォース。」
そして構えた剣をリインフォースに突き刺した...
「(・・・・・・・集・・・)」
口の中でぼそぼそと呟くと同時に
リインフォースが光の粒子となって消えていく..
それを目を見開きながら涙すら流してはいるけど、
そむける事無く見つめているはやてたち
光が完全に消え去った後には何も残らなかった...
何一つも....
はやての元に全員が集まり、はやてを囲むようにして彼女と話している
シュウジだけはリインフォースを斬った『孔鬼』を見つめながら・・・
「達者でな、リインフォース、夜天の書よ...
・・・・・ん?」
空から何かが降ってきたそれを器用に掴むと中身を確認する
それをみて納得し、みんなの元へ歩いていく
「シュウジさん、何が落ちてきたん?」
「・・・・・・・」
「おじさん?」
「なぁなぁ、なんだ?」
なのはとヴィータが手の中を覗き込むように飛び跳ねている
「はやて、キミに贈り物だ。 ほら・・・」
はやてに向かって落ちてきたものを丁寧に渡す
はやての手の中にあるのは夜天の書にもあった
十字のレリーフを象ったキーボルダーみたいなもの
「リインフォース...」
それはリインフォースが彼女へ贈る贈り物、
はやてに対する御礼の品だったのかもしれない...
「りいんふぉーす....。リインフォース...」
それを胸に抱きながらはやては大きく声を上げて泣いた
それを慰めるようにみんながさらにはやてを囲んであげていた....
-----------------------------------------------
「報告は以上です」
「そう、間に合わなかったのね...彼女
助けられなかったのね...」
「はい」
部隊セイバー本部の執務室、
彼の上司であるエリス、そしてシュウジの二人だけがいる
「でも助けられませんでしたが、結果的には八神はやてには
悲しい別れをさせずに済んだと思っている」
「そうね。それはなのはちゃんたちもだけど...」
「はい、なのはたちも自分たちの手を汚さずに済みました
まぁこれからの彼女たちの動向にちょっと変化があるかもしれませんけど...」
「まぁ貴方が関わった時点でそれぐらいの問題は想定内だったし...
ともあれ、ご苦労様シュウジ」
「いえ、恐縮です」
「あと今回の事件で私たち部隊セイバーは
管理局と秘密裏に手を結ぶことになりました
詳細は追って連絡するわ」
「・・・了解です。
失礼を承知で申し上げてよろしいか?」
「どうぞ」
「あの組織も一枚岩ではありません。
最悪こちらの技術が原因であちらの世界に
迷惑が掛かる可能性もご考慮ください」
「判ってるわ・・・。重要機密などのチェックを厳しくするわ
・・・・他には?」
「いえ、特にありません」
「そう、下がってよし」
「はっ、失礼します」
シュウジが出て行った扉を見つめつつ彼女は今さっき言った言葉を考えていた
「(確かにあの組織も裏でコソコソと動いているのは確かね
でなきゃ、このタイミングで協定を結ぼうとは思わないもの...
狙いはこちらにある質量兵器か、それとも彼自身か...)」
思い浮かべるのはシュウジの姿、
あの身体にはかなりの重要機密が詰まっているからだ
「何事もなければいいのだけれど...」
と椅子に深く腰掛けて背もたれに身を沈めた....
「早く、願いを叶えてやるからな...待ってろよ...」
彼の研究室ではでかい容器の中に彼の愛刀『孔鬼』が入っていた
その柄の部分の宝玉が蒼く光り続けていた...
それを見つめながらシュウジは呟く...
「リインフォース・・・・・」
ほぼ3時間ぶっ続けで書いたため、仕事も大遅刻ですww(マテ
やはりA's最後の話なので感慨深い内容で収まりました...
これでなんとかStSの話へ持っていけます...
では、本編です
どうぞ〜
12月31日
地球の暦で大晦日
ついにこの日がやってきてしまった
本局の無限書庫に籠もりっきりで資料を漁る
ユーノ君やなのはちゃん、フェイトちゃん
そして独自に動いているクロノ君とリンディ艦長
そして未だに眠っているはやてちゃんに付きっきりな
闇の・・・いや、リインフォース
守護騎士のみんなも心あらずって感じで
アースラの休憩室に居る所を度々かけている
そして気になるのは民間協力という形で参加しているシュウジという人
リインフォースの話の後、姿が見えなくなっている
クロノ君に聞くと「やることがあるから別行動している」とのこと
何を考えているのか解らない人だけど、
何かを期待している自分がいた..
アルカンシェルで破壊できなかった
闇の書の防御プログラムを破壊できた彼だから...
−管理局局員 アースラ艦所属 エイミィ=リミエッタ の日記より
管理外世界の住人 11
12月31日
第97管理外世界 地球 海鳴市 桜台付近
「とうとうこの日がやってきてしまったか」
そう呟くリインフォースの傍らには何もない
あるのは彼女の目の前に広がる雪に包まれた海鳴市の景色が...
それを美しいと思える自分が居た
「私はこの景色を、美しいこの世界を破壊せずに済んだ
それだけでも充分だ」
そして彼女の後方に出現する気配が3つ、4つ
その殆どが振り返らなくとも判る馴染みある者たちだ
「来てくれたのだな」
そう出迎えるリインフォースに顔が向けられない目の前の人たち
なのは・フェイト・アルフ・ユーノである
「・・・・・・
ごめんなさい....」
「・・・・??
謝れる理由がわからないのだが」
小さな声だがはっきりを謝罪を述べるなのはに
困惑した声を出すリインフォース
「貴女を助けるって言ったのに何も見つけられなかった...
だから・・・だから・・・」
「それについては僕にも責任がある...
せっかくの知識も、それらを発揮できる場所も与えられたのに
結果が出せなかったし」
なのはに続きユーノも続けとばかりにリインフォースに謝罪するも
それをやんわりと返すリインフォース
「良いのだ。 元々これをどうにかできるとは思っていなかったしな」
と自身の胸の奥にあると思われる核の部分を触れつつ呟く
「でも・・・、でも!
貴女はそれでいいの?!
はやてに別れを告げずに逝くつもりなの・・・!!?」
「もう決めた事だ、変える気はない
それに優しい主のことだ 私一人で逝く事は絶対に許さないだろう
・・・・大丈夫だ、主には守護騎士たちが付いている」
フェイトの叫びに似た声すらリインフォースには届かない
”もう決めたこと”として耳を貸さない
「それでも・・・、貴女が、貴女だけが逝ってしまうなんて・・・
・・・・悲しすぎるよ... うっうっ...」
涙を流すなのはに、慰めるように傍へ寄り、
大きな手で彼女たちの頭を順々に撫でてやる
その仕草で流れる涙はそのままに顔を上げるなのは
「やっと私を見てくれましたか、高町なのは」
「・・・りいんふぉーす・・・さん」
「貴女もその名で呼んでくれるのだな」
涙声のなのはに苦笑しつつも隣に佇んで居るフェイトの視線に気付く
「貴女を空に還すの、本当に私たちでいいの?」
「あぁ、お前たちだからこそだ...」
フェイトの戸惑いが混じった声にもはっきりと返すリインフォース
「私を止めてくれたお前たちだからこそ頼みたいんだ」
「それを言うならシュウジさんも...だよ」
「あぁ彼か...彼も彼なりに動いてくれていたみたいだが間に合わなかったか」
リインフォースの頭の中に浮かぶのは
あのアースラ内で激怒したシュウジの後ろ姿
あの殺気を込められた視線に射抜かれたら
今度こそ自分は何も出来ずに逝けるだろう
そんな予感もした..
ふとなのはたちの後ろからこちらに向かってくる気配が4つ
リインフォースからは見えているし、
その気配、魔力反応もいつも感じているものだ
「待たせたな」
簡潔に赤毛の髪をポニーテールで纏め上げた女性、シグナムが言った
後ろではシャマル・ヴィータ・そして狼状態のザフィーラが控えるように来た
そして全員がそろったことを確認してリインフォースが静かな声で呟いた
「さぁはじめよう...
夜天の書の終焉だ...」
ベルカ式の3つの頂点にそれぞれなのは・フェイト・ユーノが配置、
その真ん中にリインフォースが入る
なのはとフェイトがリインフォースを空に還す実行役、
ユーノはそれらをちゃんとリインフォースへと伝達させる制御をするのと
他人が入ってこられないように結界を張るという作業をそれぞれ担当している
守護騎士の4人はベルカ式の先のもう一つのベルカ式魔方陣に配置
誰一人として言葉を発しない
誰もがこの状況を憂いでいる
−こんな事は絶対に起こさない
−こんな理不尽は認めない
−主の笑顔を護るのは私たちだ
リインフォースは自分に向けられた彼女たちのデバイスに向かって礼をいう
「短い間であったが世話になった」
『Don't worry. (気にせずに)』
『Take a good journey.( 良い旅を)』
「・・・ありがとう
おまえたちも主たちを大切にな...」
リインフォースを包み込むように光が集中する....
なのはやフェイトは泣きそうな表情を崩さずに最後までその姿を
目に焼き付けようとしている
「待つんや、リインフォース!!」
光が弾けようとしたその時、空から聞こえてくるはやての声
全員が空を見上げるとはやての姿が・・・
いや正確にはシュウジに抱えられたはやてだが...
はやてがここへ辿り着けるはずがない、この場にいた全員が思ったこと
はやては足が不自由だ、
だから車椅子で来ることが困難なこの場を指定したのだ
だがその考えも目の前の彼が一緒と云うのであれば霧散する
だが、彼は何故ここにはやてを連れて来たのか
それが不愉快でもあった...
「何故連れてきた...」
はやてを抱えながら地面へと降り立った
シュウジに冷ややかな視線を送るが
それには目もくれずはやてを地に下ろす
だが、まだ足が不自由なため立つことすらままならないので
シュウジに肩を貸してもらい支えた感じでようやく立っている状態だ
「まだ逝ってはあかん! リインフォース!!」
だがその状態がなんだとばかりに崩れる身体を引き摺ってでも
リインフォースへと近づこうとするはやて
彼女ともに手を貸すシュウジの顔はどこか虚ろ
彼自身具体的な策を見つけることが出来なかったのだろう...
悔しさが滲み出ているかのようだ...
「これでいいんです、主はやて。
治す事が出来ないダメな魔導書は消えてしまわないと...」
「あのプログラムやったら時間をかけてやれば何とかできる!
だから死に急いだらアカン!!」
「私は幸せな魔導書です、主から絶大な信頼を得て逝けるのですから...
だから、私が居なくなっても代わりに騎士たちがいます...
私の分まで生きてください」
「そういうことを言うんじゃない! 今の主はわたしやろ?!
主のゆうことは絶対や! 言うことを聞いてな、リインフォース!」
「主はやて、どうかご自愛ください。 一時の感情で一体どれだけの犠牲が
起こるかわかりません。 今度ばかりは主の命さえ・・・」
「そんなもん、わたしがなんとかする!! だから逝かんといてや!!!」
肩を貸しつつ、それを見守っていたシュウジもそっと口を出す...
「オレもお前を助けるといっておきながらこの様だ
オレはお前を助けることが出来なかった
許してくれとは言わん、だができるだけの願いは聞いてやる..」
「そうか、心強いな。 お前の言葉だけでも心が軽くなるよ
私の願いは『主はやての幸せ』だ。 これだけは護ってくれ...」
「はやては『お前』が含まれている幸せを願っているのにか?」
・・・そう、はやての願いは『みんな含めた幸せな場所』に対して
リインフォースのは『主はやての幸せな場所』という願い
どちらも似てはいるが根本的に違うところがある
主観を『主はやて』なのか『みんな』なのかということ
その違いだけである...
「私は不幸な魔導書だ、
最後の最後まで主の手を煩わせるどうしようもない魔導書だ
だからこそこんな私なんぞ捨てて幸せに過ごしてもらいたい、
それだけを願っている
それに私がいなくなっても守護騎士は残る...、
彼女らに主はやてと後の人生を生きてもらいたい...
それを遠く空の上で見守っていく...、そういうのも悪くはないだろうか?」
「・・・・・・・・・・。
否定はしない。 それにオレも似たようなものだしな(笑)
ならば・・・不義を働くお前を空に還すのは、なのはたちでは不適任だ
オレが最後の介錯を務めてやる...
なのは、フェイト、構わないか?」
突然なのはたちに振ったのであたふたとしているが
それでも充分に考えた後シュウジに向かい首を縦に振った
「ありがとう...なのは、フェイト」
「そんなシュウジさんまで?! 私を裏切るんか!?
リインフォースの説得するって言葉は嘘かいな!?」
彼は肩を貸していたはやてを地面に下ろし、同じ目線で見つめながら対話する
「・・・・、嘘ではない。
現に彼女と対話して説得が不可能であることが判った。
彼女は死を受け入れている、それに対する恐怖感などはない
ただ一つの恐怖と言えば、
キミがこの先リインフォース抜きで生きていけるか?
という事だけだ...
・・・失礼な言い方をするがキミは誰かを頼って生きていくという人生を
これからも送るつもりなのか?
身寄りがなかった今までの人生を投げ捨てて...」
「・・・・・・・・・・・・・・。
そんなわけあらへん! わたしは今まで一人で生きてきた
そこにシグナムやヴィータ、シャマル、ザフィーラといった家族が出来た
それにリインフォースも...。
正直この中の誰かが欠けてしまうのだけでもとても悲しい...
もうわたしは独りじゃ生きていけん。
人のぬくもりっちゅーもんを知ってしまったから」
「だが、逝くときは一人で逝く。 人生とはそんなものだ
誰かに看取られて逝けるというのは幸せなことだ
そう、とても幸せな事なんだよ...」
遠き日、あの紅い光景の中家族を失った彼が
思い浮かべるのは家族の姿...
幼くして死んでしまった妹の姿はいまでも鮮明に残っている...
それを見つめることしか出来なかったあの悪夢は...
「だから・・・リインフォースは幸せだと思う。
少なくともキミやたくさんの仲間がここにいる
みんなキミとリインフォースが見つけた絆だ
・・・その絆で結ばれたみんなが集まってくれている
悲しい中、誰一人として文句を言わない..
そんななかで一人で駄々をこねているのはどうだ?」
「・・・・・・・・・ずるい・・・・
そんな言い方されたらわたしが悪役みたいやねん
・・・・しょうがないわ!
リインフォース!!」
やれやれといった口調で慣れない足に力を入れて立ち上がろうとする
手伝おうとする守護騎士やシュウジの手を断ってどうにか立ち上がって・・・
(シュウジも微力な手伝いとして、はやてのいる空間の重力を
ちょっと下げて楽に立ち上がれるように手助けする)
「はい、主はやて」
「主として、夜天の書の主として命じる・・・
・・・・元気でな・・・・」
「・・・・・ぃ
・・・はい!
ありがとうございます、主はやて」
そう言って、はやてはリインフォースに背中を見せる
その背中にはいろいろなものが混ざっているようにも見えた
その姿は堂々としていて、守護騎士もなのはたちも声を掛けれなかった
「よく出来たな、はやて」
そういったシュウジの胸にうずめるようにして倒れこみ、
声に出さないようにして泣いている
胸が濡れるのを無視してシュウジは目の前にリインフォースに向かい言った
「オレからもなにか贈ったほうが良いのか?」
そんな言葉が彼から聞けるとは思ってもなかったリインフォースは
ちょっと驚いたあともったいぶるようにして近づき耳元で囁く....
「お前から何かを貰うことは・・・・特に無いかな。
・・・ただまぁ(...これくらいはいいだろうな....)」
ぼそぼそと呟く彼女の声はシュウジには届かない
「おい、なにをいっ・・・・」
軽く口元に感触...、それが2回
しかも2回目はより長く、情熱的に...
行動を終えた彼女の表情は真っ赤だったが、
それ以上にしてやったりといった顔があり
シュウジは怒ることすら出来ずに、ただちょっと赤らめた顔で
「それは反則だ」
と返すことしか出来なかった
周りの反応と云うと、シグナムは真っ赤、ヴィータも真っ赤、
ザフィーラは何とも無い表情をしているがちょっと動揺してるのが目に見える
シャマルはあらあら・・・といった感じで微笑んで見つめている
なのはたちとフェイトたちも真っ赤になった顔であたふたとしながらも
互いに見やって笑っていた
はやてはその現場を至近距離で目にしてしまったため真っ赤になって気絶してしまった
「さて、そろそろ眠りに就くとするか...
ではシュウジよろしく頼む..」
散々引っ掻き回しておいて悠々とステップすら踏みそうな感じで
元の位置に戻るリインフォースに一同の緊迫した空気が流れる...
気絶してしまったはやてをそっと雪の上に横たえながらシュウジは
彼女の正面に立った...
「・・・やれやれ、最後まで引っ掻き回しおって...
誰に似たんだか...」
愚痴るシュウジの表情もどこか晴れやか、
それを返すリインフォースもまた然り
「きっとお前が移ったのだろう(笑)
さぁ、やってくれ・・・」
「あぁ....、
来い!『孔鬼』!!」
シュウジの左腕が空へ伸ばす、手の中に生まれる感触、
それを握ると剣の柄の部分となる
それを正眼に構えると実刃が出現、目の前のリインフォースに向かって構えた...
「最後に一つだけ、もし生き返ったら何がしたい?」
「最後の最後でそれか...
そうだな、今度こそ主に仕えてみたいな...」
「それが願いというか願望か?」
「あぁ」
「・・・・
いつか叶えてやるよ....」
「リインフォース、シュウジさん。 それ死亡フラグやで(笑)」
いつの間にか復活していたはやてがため息をつきながら
言った台詞に当事者どころかその場の全員が噴いた
「「「「「はははははははははは」」」」」
「「ふふふふふふ」」
「「くくくくくく」」
「そんなに笑うことないやんか!」
「ふふふ...
これから逝く者に向かって死亡フラグとは...
やはり主は楽しいお方だ...」
「あぁ・・・ホントだな...
じゃあな、リインフォース。」
そして構えた剣をリインフォースに突き刺した...
「(・・・・・・・集・・・)」
口の中でぼそぼそと呟くと同時に
リインフォースが光の粒子となって消えていく..
それを目を見開きながら涙すら流してはいるけど、
そむける事無く見つめているはやてたち
光が完全に消え去った後には何も残らなかった...
何一つも....
はやての元に全員が集まり、はやてを囲むようにして彼女と話している
シュウジだけはリインフォースを斬った『孔鬼』を見つめながら・・・
「達者でな、リインフォース、夜天の書よ...
・・・・・ん?」
空から何かが降ってきたそれを器用に掴むと中身を確認する
それをみて納得し、みんなの元へ歩いていく
「シュウジさん、何が落ちてきたん?」
「・・・・・・・」
「おじさん?」
「なぁなぁ、なんだ?」
なのはとヴィータが手の中を覗き込むように飛び跳ねている
「はやて、キミに贈り物だ。 ほら・・・」
はやてに向かって落ちてきたものを丁寧に渡す
はやての手の中にあるのは夜天の書にもあった
十字のレリーフを象ったキーボルダーみたいなもの
「リインフォース...」
それはリインフォースが彼女へ贈る贈り物、
はやてに対する御礼の品だったのかもしれない...
「りいんふぉーす....。リインフォース...」
それを胸に抱きながらはやては大きく声を上げて泣いた
それを慰めるようにみんながさらにはやてを囲んであげていた....
-----------------------------------------------
「報告は以上です」
「そう、間に合わなかったのね...彼女
助けられなかったのね...」
「はい」
部隊セイバー本部の執務室、
彼の上司であるエリス、そしてシュウジの二人だけがいる
「でも助けられませんでしたが、結果的には八神はやてには
悲しい別れをさせずに済んだと思っている」
「そうね。それはなのはちゃんたちもだけど...」
「はい、なのはたちも自分たちの手を汚さずに済みました
まぁこれからの彼女たちの動向にちょっと変化があるかもしれませんけど...」
「まぁ貴方が関わった時点でそれぐらいの問題は想定内だったし...
ともあれ、ご苦労様シュウジ」
「いえ、恐縮です」
「あと今回の事件で私たち部隊セイバーは
管理局と秘密裏に手を結ぶことになりました
詳細は追って連絡するわ」
「・・・了解です。
失礼を承知で申し上げてよろしいか?」
「どうぞ」
「あの組織も一枚岩ではありません。
最悪こちらの技術が原因であちらの世界に
迷惑が掛かる可能性もご考慮ください」
「判ってるわ・・・。重要機密などのチェックを厳しくするわ
・・・・他には?」
「いえ、特にありません」
「そう、下がってよし」
「はっ、失礼します」
シュウジが出て行った扉を見つめつつ彼女は今さっき言った言葉を考えていた
「(確かにあの組織も裏でコソコソと動いているのは確かね
でなきゃ、このタイミングで協定を結ぼうとは思わないもの...
狙いはこちらにある質量兵器か、それとも彼自身か...)」
思い浮かべるのはシュウジの姿、
あの身体にはかなりの重要機密が詰まっているからだ
「何事もなければいいのだけれど...」
と椅子に深く腰掛けて背もたれに身を沈めた....
「早く、願いを叶えてやるからな...待ってろよ...」
彼の研究室ではでかい容器の中に彼の愛刀『孔鬼』が入っていた
その柄の部分の宝玉が蒼く光り続けていた...
それを見つめながらシュウジは呟く...
「リインフォース・・・・・」
管理局外の住人 10
タイトルまたも変更です(爆)
先週はコミケお疲れ様でした
今回もなのはプロジェクトは地獄だったようで...(滝汗
自分は知り合いにSSXだけ頼んでもらったのでそれ以外のグッズは諦めました
・・・というか始発で並んでも買えないグッズなんていらないわ!!(魂の叫び)
あと今回のコミケで『荷物検査(正確には確認だったようですが)』、あれを意識したせいか
会場を徹夜、もしくは早朝来場する人が多かったみたいですね
まぁ早く来ることは構わないけど、徹夜はヤメロとカタログにも書いてあるのに
なんで読んでこないんでしょうね、あの連中は(苦笑)
あとは転売厨、コミケ開始前からヤフオク出品するな!って言いたいわ
(なのはグッズセットとか出していた香具師とかねww)
エスカレーターが使えないことでコスをやっている方々に問題が起こるかな?と思ってましたが
何も問題なかったのが幸いかな?
(会議室6Fはコミケとは思えないくらいの快適空間でしたww)
コミケと前日のオフ会でお会いできた方々に敬意を...
またどこかのイベントでお会いしましょうww
では前書きが長くなりましたが、本編ですv
-------------------------------------------
『(まだ終わっていない。 私は何度でも蘇る、その前にお前が・・・)』
この時はまだ闇の書が何を言っているのかよく判らなかった...
そして・・・オレの人生に於いて大変な出来事になるとはこの時はまだ
知るよしもなかった...
管理局外世界の住人 10
「何か見つかった....?」
「全〜然、ユーノくんは?」
「う〜ん、それらしい記述とかは見つかってるんだけど、
解決策という意味では見つからないね...」
ここは管理局本局が有する無限図書資料室...
ありとあらゆる世界の事象が書き記されている一種の魔法のような空間だ
見た目とは裏腹にその広さはとてつもなく広い
一人で探索しようものなら間違いなく迷うだろう
実際にこの中を探索するのならチームを組んでキチンとした探査チームでやるしかない
・・・ただそれを壊した天才がここに居た
ユーノ=スクライア、なのはの相棒にしてスクライア一族の末裔
その彼のやってきた功績は大きい
例えば、後に「闇の書事件」と名が付けられるこの事件で管理局側
(ほとんどが事件を担当したアースラ隊だが)が入手した資料などの
殆どが彼、ユーノ=スクライアによるものだった...
そのため、事件中盤から終盤にかけての情報操作や
闇の書の歴史なども知ることが出来、結果的には闇の書から夜天の書というオリジナルを
助け出すことが出来たのも彼の働きもあってのことだ
その彼も手伝っているのに、解決策が見つからないというのは
ある意味詰めということでもあった...
そんな中、なのは・フェイト・ユーノたちがその無限書庫に篭もって
文献を漁っていた..
「・・・時間が無いのに...」
呟くなのはの声に焦りが見られた...
実際に彼女らに残されている時間は残り少ないのだった...
闇の書の核破壊後、突如はやてが意識を失った...
必死に呼びかけるヴィータの声も届かないままアースラへと収容された
全員はそこでリインフォースから驚くべき事実を聞くこととなった
『破壊した防御プログラムがまた再生してしまう。
最悪、主はやてを喰い散らす可能性があるのだ....』
それを決戦後まもなくの状態で聞かされたなのはたち
愕然とした...、あれだけ苦戦したそれがまた復活してしまう
さらに今度ばかりははやてが犠牲になってしまうかもしれない
それは絶対にダメとばかりに詳しい話を聞かずに出て行ったなのは、
それを追いかけるようにフェイトが続いていった...
クロノはそれを目で追いつつも彼女らの事はユーノに任せる、と目配せする
頷いたユーノが礼をして出て行く
「それで、期限はいつまでなんだ...?」
「最悪の事態まで決めるとするならばあと5日程度と云ったところか」
「つまり地球の暦で言うところの『大晦日』まで...か・・・」
リインフォースの指定する期日、折りしも1年が終わる日でもあった
シュウジはふとリインフォースの後ろに控えていた守護騎士へと視線を向ける
それに気付いたシグナムがこっちを睨み返す
「・・・シュウジ、 お前ともお別れになってしまうのだな。
せっかくいつぞやの決着を着けておきたかったのだが...、残念だ」
「・・・・・。そうだな」
申し訳なさそうにも心残りがあるようにも思える心情を表したかのような
声色に若干怒りを混ぜたままのシュウジが応えるも、その視線と殺気の向ける先は
先程から黙っているリインフォースに向けてだ
「リインフォース、オレや主に対して何か言いたい事はあるか?(怒)」
「・・・お前には済まないと思っている。
主はやてにも同様だが、これからはここにいる仲間たちとともに
生きて欲しいということだけだ
それ以外に願うことなど無い...」
「・・・・・・ッッ
ふざけるなっっ!!」
目の前のテーブルを叩き壊しそうな勢いで立ち上がったシュウジはおもむろに
リインフォースの胸倉を掴みかかる
それを慌てたようにクロノが割って入るも掴む力は緩まる事は無い
「少々・・・苦しいぞ...シュウジ」
「・・・お前は最初からわかっていたのか?!
主が許してくれたその命を投げ出す事をっ!」
当のリインフォースは声では苦しいと言いつつも実際はそんなに苦しそうではなかった
表情に翳りが見える程度だ、それは些細な変化なので気付いたのはシュウジ以外居なかった
「・・・・。そんな顔をするくらいなら何故・・・」
「・・・・解らない。主には悪いと思っている。
だが、お前に言われると尚更罪悪感が芽生えてくるようだ...
何なのだろうな、この感情は..」
「オレが知るかっ!」
シュウジは掴んでた手を離して突き飛ばす、
リインフォースは尻餅なぞつかなかったが、その顔は悲しげな表情であった
そんな彼女を無視して背を向け入口に向かって歩き出す
「ちょっ、シュウジさん。どちらに?!」
クロノが思い出したかのように席を立ち詰め寄って来るも彼の顔を覗き込んだ瞬間に
足が、思考が停止する...
ドス黒い殺気、障気と呼んでもおかしくないぐらいの何かに
その場の殆どの者が怯まずにはいられなかった
シュウジが部屋から退室するまで皆硬直したままだった
誰かが息をのむ音すら響いてしまいそうな静寂の中、彼は出て行った...
「ぷはっ〜!」
途端にアルフが息を大きく吐いた
それに連動するかのように全員が動き始めた
「なんというか...、すさまじい殺気だったな」
「あぁ、あれほどの殺気を出せるとはな、
明らかに私たちとは違う世界で生きてきた人間、いや人種だな」
「・・・っつーか人間辞めてるだろアイツ!」
守護騎士全員の意見はほぼ似たり寄ったり、
シャマルに至ってはまだ硬直状態から開放されていない
一番にそれを被ったとされるクロノも全身から冷や汗がダラダラだ
口をパクパクさせてはいるが声が出ない状態だ
そしてその殺気を向けられた彼女、リインフォースは足から崩れるように床へ倒れこむ
「お、おい。大丈夫か?!」
「・・・・あぁ。・・・・大・・・丈夫だ」
「そんな真っ青な顔で言っても誰も大丈夫だとは思わないよ。どうする少し休むか?」
心配して詰め寄るアルフにクロノに対して震える唇で必死に言葉を紡ぐも
逆にクロノに突っ込まれる始末だ
「すまない、少しだけ休ませてもらっていいか?」
「あぁ、判った。とりあえず進展があるまではアースラで待機しててくれ
一応守護騎士のみんなも...」
「あぁ、判った」
ズンズンと艦内を歩くシュウジ、先程から殺気を振りまいて歩いているためか
誰も近寄ってこないし、遠巻きにみている局員たち
そんな彼らには目もくれず、真っ先に目指す先は先程出て行ったなのはたちの下へ
気配察知で一番判りやすいと思われるなのはを探してきたが、どうにも見つからない
すでに艦内からは姿を消したようだ...
そこで一息つくと、思い出したように通信回線を開く
通信する先はもちろん彼の所属する部隊セイバーへ、だ
出たのは彼の上司であるエリスだ
内容が聞かれないように念話での通信に切り替えた..
『(ハイ、シュウジ! 何か用かしら?)』
「(用件があるからこうして通信している。
とりあえずこっちに提出する資料とか亜空間領域経由で回せ
じゃないとこっちがうまく動けん)」
『(既に準備してあるから、早速送るわよ)』
「(・・・確認する.... ん、大丈夫だ)」
『(それよりも厄介なこと起きてるようね)』
「(見てたのか?)」
『(まぁ音声だけだけど。 困ったものね、あの管制人格さんには...)』
「(そっちで調べられるならやってくれないか?)」
『(別にかまわないけど...。 必要だったら「アレの鍵」渡すけど?)』
「(まぁ最後の手段として使うかもしれないからそん時はよろしく頼むわ
あと、こっちからの提案、いいか?)」
『(何??)』
「(【エンジン】、今から造ったとしてどれくらいのものが出来る?)」
『(【エンジン】ねぇ... やってみないと判らないけど、まぁあのサイズで造るなら
最低で標準〜改クラス、無理すれば【ラ・ス・トゥール】ぐらいいけそうだけど..
でも相性とかあるのよ? 貴方に装着できたのもある意味で奇跡よ?!
それをあげるというの??)』
「(・・・・・・・・・・)」
『(まぁ貴方が望むことならば全力でサポートするけど、開発費もそれなりにかかるわよ?)』
「(それは二の次だ、こちらがマイナスになろうとも全力で護ってやる
そう誓った、だから・・・・)」
『(決意は固いようね。 判ったわ、今から開発部に指示書だしておくわ)』
「(よろしく...、こっちはこっちで何か手伝えることあったら動いてみるわ)」
通信を切るとちょっとは晴れた気分で艦内をうろつく
そして目の前にクロノが現れた
「シュウジさん....」
ちょっと怯えているような印象を受けた
まぁ先程の殺気を受ければ誰でも(戦い馴れてない人間なら)そうなるわな...
「先程はすまなかったな。 我を忘れていた。」
「い、いえ。 こちらこそすいません...」
「「・・・・・・・」」
お互い話が続かない...
話を切り替えようと懐から紙の束をクロノに手渡す
「?? これは?」
「何って、あん時言ったろ、オレが干渉している依頼と行動理由についての資料だよ」
「・・・あぁ、リインフォースのことですっかり忘れてました(汗)」
「まぁそれくらいの事態だしな。 そういやなのはたちが何処行ったか知ってるか?」
「なのは? ちょっと待ってください・・・・」
と、空間モニターで検索を掛けると既にアースラから出て行ったことが表示がされていた
詳しく調べた所、本局の無限書庫に居ることが判明した
「無限書庫?」
「本局内にある資料室みたいなものです。 ただしその量が無限に蓄積されているために
この名が付けられています。 おそらくなのはたちはこの状況を打破するために・・・
あ、居ました。 数分前に中に入っていますね....」
クロノが示したモニターには無限書庫に入っていくなのはたちの姿が見て取れた
「ここで見つかるのか・・・ 解決策は?」
「次元世界のありとあらゆる事象が納められているというくらいですからね。
ここで見つからなかったら策がなくなるわけですから、ある意味で最後の切り札と
言っておかしくは無いと思います。」
「・・・そうか。 ならばこちらも独自に動くとするか...
クロノ、早速で悪いんだがしばらく別行動させてもらいたいんだが、許可をくれ」
いきなりの提案に戸惑うクロノだが、その理由を聞いて納得して、
すぐさま上司のリンディ=ハラオウンへと打診した
その報告を受けたリンディさんも渋々ながらもこれを承諾
それを確認した後、直ぐさまシュウジは元の世界へと帰還していった...
−第97管理外世界外 地球付近の宇宙
旗艦 バーストスター
「いま戻ったぞ。」
急ぐ足を緩めずに旗艦である戦艦へと帰還したシュウジ
同僚やクルーから「お疲れ様〜」と言ってくる連中を簡単にあしらいいつつ、
上司の元へと急ぐ
「シュウジだ、入るぞ」
上司の部屋の扉が開ききる前に身を捻るようにして強引に割り込んで入るシュウジに
部屋の主であるエリス=L=ナイトメアはため息をつきながらも彼を出迎える
彼女の容姿は金色の髪をざっくばらんに切りそろえたロング、胸はそれなりに大きい
(本人はCとかいってたがオレの目が確かならB−くらいだろう)
身長は170cm前後、体型は細身、標準よりもちょい細めだがそれが良い感じになっている
今はその体型をキチッとした隊服で決めている
「おかえり・・・。 んで、こっちに戻った理由は・・・聞かなくても判ってるわ
その顔をみれば一発ね(笑) はい、あそこの使用許可カード」
スッと彼を一瞥した後、後手で何かのカードを投げ渡す
それを受け取ったシュウジは何も言わずに出て行った
「まぁ頑張りなさい、彼女たちのためにもね...」
窓から覗く星の瞬きとガラスに映るエリスの顔が何ともいえない雰囲気を出していた
バーストスター 施設内 転移室
いつもは無人で滅多に使われる事の無い施設の一つ
この艦にはそういったクルーにも知られていない施設がまだたくさんある
少し話を逸らすことになるが...
もともとこの艦はシュウジが属している組織で造られたものではない
昔地球近辺に飛来した謎の宇宙戦艦をそのまま使っているだけだ
かつて飛来したこの戦艦をこの部隊の隊員たちが『掃除』したものだ
その中身は現代の科学技術では造れないオーバーテクノロジーであったため、
表向きは破壊したことにして、裏でこっそりと回収され中のシステムを有人化して
今に至る...と...
話を戻そう...
この転移室もその一つでその転送先は謎の空間である
かくいうシュウジもこの部屋に来るのは生涯で2回目であるが...
「(やはりここを使う羽目になるとはな...予想していたとはいえなんとも気が進まん)」
少々愚痴を零しながらも転移された先の空間へと投げ出されるシュウジ
転移された先に広がるのは何も無い空間だ
自分の姿以外は何も無い、広がるのは漆黒の闇だけ...
自分の姿すら認識できるか解らないほどの暗い昏い暗黒が...
状況を確認したシュウジは目の前にある『何か』に向かって詠唱する
「汝、我の願いを聞き届けるものか 汝、我の期待に添えるものか
我は汝の主と契約するものなり 我は世界の神と結びしものなり
我は請う、真実を、世界の事象を、そしてあるべき姿へと
我が前にいでよ 【金色の黙示録(ロード・オブ・バイブル)】よ」
名を呼んだ瞬間、何も無かった空間に金色の光が出現し溢れる光が爆発
光が晴れた後には宙に浮かぶ金色の球体がそこにはあった
まるで自分こそがこの空間の主であるかのように鎮座していた
【我を呼ぶものよ 汝の呼びかけに応じ、我参上した
我が名は金色の黙示録。よく来たな、シュウジよ】
その球体から声が聞こえる
しかし周りには響かない静かな声だ
この空間だから気がつかないのかもしれないが実は念話で話しかけられているのだ
「オレはあんまり使いたくなかったがな。」
【そうだろうな、かつてのお前・・・】
「時間が無い! 手早く済ませたいからさっさとしろ」
【・・・・・・。
相当切羽詰っているようだな。判った、始めよう
さぁ我に触れるのだ...】
苛立ちすら覚える彼の言葉に若干の戸惑いを感じながらも
球体に触れるように命令する
触れると同時に金色の球体は爆発し、辺りを漆黒の闇から光溢れる空間へと変えた
そして光の中から広がるいくつもの世界、出来事、人々の姿が....
その中にはなのはたちの姿や、海鳴市の姿、
・・・そしてシュウジの幼き頃の姿などが映し出されていた
「では問う。オレが抱えているかの者を助けるために必要なものは?」
【お前が必要なものか...
此奴が... なるほど、たしかにこれを助けると云うには『知識だけでは』難しいな】
先程シュウジが触れたことで彼の記憶内にある『彼女』のデータが空間に投影される
【新しいデバイスとやらに移すとしてもその先の容量が足らんな
かと云って分配するとしてもベルカ式か、そちらの方が大部分を占めているようだし
ベルカ式をどこらで分けるかが問題となるな
ミッド式は問題ないくらいだが...】
「・・・・やはりそうか
ではこちらが考えている解決策は・・・・」
スラスラと起こると思われる問題を提示、それとシュウジの考案した策と討議する..
−【金色の黙示録(ロード・オブ・バイブル)】
これこそ無限書庫と違うこちらの『切り札』である
無限書庫が知識を納めて閲覧できる場所であるならば、
こちらは自我を持ち、意識共有しながら対話(討論)できるモノ
一人で情報を集めてもそれを次の作業に移すのには限度がある
なので討論するにもそれに似合った知識を持つ者との知識が無ければ成り立たない
それを『金色の黙示録』は自身の記憶として保存、元々持ち合わせている知識と
照らし合わせて更なる回答を求めようとする
それの知識量は途方もない、それこそ無限書庫内でも『禁忌(タブー)』とされる
モノでも多数内包している
(遺失捜索物(ロストロギア)・オーパーツなどがそれに当たる)
だが、『金色の黙示録』は、意識を持った知識の集合体でもある
例え危険なものならば使用者がそれに似合った性格・技術力を持っているかを判別し
各々の持つ知識がそれぞれ違った意見を出し、それを統合して語りかけるのが
『金色の黙示録』の特徴である
「・・・・それでいいか」
【現状ではこれが最善であるな... 】
2時間以上討議した結果、なんとか許容内に収まったという感じだ
【お前の体力も限界っぽいからな・・・・ 大丈夫か?】
「・・・・・・・・・・。
心配は無用だ...」
問いかけられる言葉に荒げた呼吸を繰り返しながらも
あまり意味のない返答するシュウジ
正直、あの戦闘後の疲労がたまっていたのは事実だ
リインフォースの事を第一に考えていたため、
『対極輝衝砲』を撃った後の体力の消耗や魔力・闘気の回復が
それほどされていなかったからである
いつもならば自動修復などの機能を実行していたはずなのだが...
そしてこの空間内は僅かながらに体力を消耗する
たとえ僅かでも空間に留まる時間が長ければ長いほどそれは蓄積されていく
【最後に聞くが本当にそれでいいのか?
少なくとも恨まれる事になるかもしれんぞ】
「構わん。 恨まれてるのは慣れている
それに彼女たちが泣かないようになるならそれで充分さ
それだけでも報酬を貰うだけの価値はある」
言葉だけ聞くと心配しているようにも聞こえる金色の黙示録に
ちょっとおちゃらけた表情で語るシュウジ、だがその顔はすこし曇っている
【・・・お前の本心まで知りたいと思わんからな
次に来る時はいい結果が報告できるといいがな】
「努力はしてみせよう
ありがとうな、・・・・よ」
この言葉を皮切りに現れた時と同じように光が爆発し今度は何もない漆黒の闇へと
暗転する
その空間を目の前にして彼は呟いた
「まるで・・・オレの先を暗示しているようだな...
ま、気にすることもない。
オレはオレの信ずる道を行くだけだ
さて時間も残ってない...か、」
先週はコミケお疲れ様でした
今回もなのはプロジェクトは地獄だったようで...(滝汗
自分は知り合いにSSXだけ頼んでもらったのでそれ以外のグッズは諦めました
・・・というか始発で並んでも買えないグッズなんていらないわ!!(魂の叫び)
あと今回のコミケで『荷物検査(正確には確認だったようですが)』、あれを意識したせいか
会場を徹夜、もしくは早朝来場する人が多かったみたいですね
まぁ早く来ることは構わないけど、徹夜はヤメロとカタログにも書いてあるのに
なんで読んでこないんでしょうね、あの連中は(苦笑)
あとは転売厨、コミケ開始前からヤフオク出品するな!って言いたいわ
(なのはグッズセットとか出していた香具師とかねww)
エスカレーターが使えないことでコスをやっている方々に問題が起こるかな?と思ってましたが
何も問題なかったのが幸いかな?
(会議室6Fはコミケとは思えないくらいの快適空間でしたww)
コミケと前日のオフ会でお会いできた方々に敬意を...
またどこかのイベントでお会いしましょうww
では前書きが長くなりましたが、本編ですv
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『(まだ終わっていない。 私は何度でも蘇る、その前にお前が・・・)』
この時はまだ闇の書が何を言っているのかよく判らなかった...
そして・・・オレの人生に於いて大変な出来事になるとはこの時はまだ
知るよしもなかった...
管理局外世界の住人 10
「何か見つかった....?」
「全〜然、ユーノくんは?」
「う〜ん、それらしい記述とかは見つかってるんだけど、
解決策という意味では見つからないね...」
ここは管理局本局が有する無限図書資料室...
ありとあらゆる世界の事象が書き記されている一種の魔法のような空間だ
見た目とは裏腹にその広さはとてつもなく広い
一人で探索しようものなら間違いなく迷うだろう
実際にこの中を探索するのならチームを組んでキチンとした探査チームでやるしかない
・・・ただそれを壊した天才がここに居た
ユーノ=スクライア、なのはの相棒にしてスクライア一族の末裔
その彼のやってきた功績は大きい
例えば、後に「闇の書事件」と名が付けられるこの事件で管理局側
(ほとんどが事件を担当したアースラ隊だが)が入手した資料などの
殆どが彼、ユーノ=スクライアによるものだった...
そのため、事件中盤から終盤にかけての情報操作や
闇の書の歴史なども知ることが出来、結果的には闇の書から夜天の書というオリジナルを
助け出すことが出来たのも彼の働きもあってのことだ
その彼も手伝っているのに、解決策が見つからないというのは
ある意味詰めということでもあった...
そんな中、なのは・フェイト・ユーノたちがその無限書庫に篭もって
文献を漁っていた..
「・・・時間が無いのに...」
呟くなのはの声に焦りが見られた...
実際に彼女らに残されている時間は残り少ないのだった...
闇の書の核破壊後、突如はやてが意識を失った...
必死に呼びかけるヴィータの声も届かないままアースラへと収容された
全員はそこでリインフォースから驚くべき事実を聞くこととなった
『破壊した防御プログラムがまた再生してしまう。
最悪、主はやてを喰い散らす可能性があるのだ....』
それを決戦後まもなくの状態で聞かされたなのはたち
愕然とした...、あれだけ苦戦したそれがまた復活してしまう
さらに今度ばかりははやてが犠牲になってしまうかもしれない
それは絶対にダメとばかりに詳しい話を聞かずに出て行ったなのは、
それを追いかけるようにフェイトが続いていった...
クロノはそれを目で追いつつも彼女らの事はユーノに任せる、と目配せする
頷いたユーノが礼をして出て行く
「それで、期限はいつまでなんだ...?」
「最悪の事態まで決めるとするならばあと5日程度と云ったところか」
「つまり地球の暦で言うところの『大晦日』まで...か・・・」
リインフォースの指定する期日、折りしも1年が終わる日でもあった
シュウジはふとリインフォースの後ろに控えていた守護騎士へと視線を向ける
それに気付いたシグナムがこっちを睨み返す
「・・・シュウジ、 お前ともお別れになってしまうのだな。
せっかくいつぞやの決着を着けておきたかったのだが...、残念だ」
「・・・・・。そうだな」
申し訳なさそうにも心残りがあるようにも思える心情を表したかのような
声色に若干怒りを混ぜたままのシュウジが応えるも、その視線と殺気の向ける先は
先程から黙っているリインフォースに向けてだ
「リインフォース、オレや主に対して何か言いたい事はあるか?(怒)」
「・・・お前には済まないと思っている。
主はやてにも同様だが、これからはここにいる仲間たちとともに
生きて欲しいということだけだ
それ以外に願うことなど無い...」
「・・・・・・ッッ
ふざけるなっっ!!」
目の前のテーブルを叩き壊しそうな勢いで立ち上がったシュウジはおもむろに
リインフォースの胸倉を掴みかかる
それを慌てたようにクロノが割って入るも掴む力は緩まる事は無い
「少々・・・苦しいぞ...シュウジ」
「・・・お前は最初からわかっていたのか?!
主が許してくれたその命を投げ出す事をっ!」
当のリインフォースは声では苦しいと言いつつも実際はそんなに苦しそうではなかった
表情に翳りが見える程度だ、それは些細な変化なので気付いたのはシュウジ以外居なかった
「・・・・。そんな顔をするくらいなら何故・・・」
「・・・・解らない。主には悪いと思っている。
だが、お前に言われると尚更罪悪感が芽生えてくるようだ...
何なのだろうな、この感情は..」
「オレが知るかっ!」
シュウジは掴んでた手を離して突き飛ばす、
リインフォースは尻餅なぞつかなかったが、その顔は悲しげな表情であった
そんな彼女を無視して背を向け入口に向かって歩き出す
「ちょっ、シュウジさん。どちらに?!」
クロノが思い出したかのように席を立ち詰め寄って来るも彼の顔を覗き込んだ瞬間に
足が、思考が停止する...
ドス黒い殺気、障気と呼んでもおかしくないぐらいの何かに
その場の殆どの者が怯まずにはいられなかった
シュウジが部屋から退室するまで皆硬直したままだった
誰かが息をのむ音すら響いてしまいそうな静寂の中、彼は出て行った...
「ぷはっ〜!」
途端にアルフが息を大きく吐いた
それに連動するかのように全員が動き始めた
「なんというか...、すさまじい殺気だったな」
「あぁ、あれほどの殺気を出せるとはな、
明らかに私たちとは違う世界で生きてきた人間、いや人種だな」
「・・・っつーか人間辞めてるだろアイツ!」
守護騎士全員の意見はほぼ似たり寄ったり、
シャマルに至ってはまだ硬直状態から開放されていない
一番にそれを被ったとされるクロノも全身から冷や汗がダラダラだ
口をパクパクさせてはいるが声が出ない状態だ
そしてその殺気を向けられた彼女、リインフォースは足から崩れるように床へ倒れこむ
「お、おい。大丈夫か?!」
「・・・・あぁ。・・・・大・・・丈夫だ」
「そんな真っ青な顔で言っても誰も大丈夫だとは思わないよ。どうする少し休むか?」
心配して詰め寄るアルフにクロノに対して震える唇で必死に言葉を紡ぐも
逆にクロノに突っ込まれる始末だ
「すまない、少しだけ休ませてもらっていいか?」
「あぁ、判った。とりあえず進展があるまではアースラで待機しててくれ
一応守護騎士のみんなも...」
「あぁ、判った」
ズンズンと艦内を歩くシュウジ、先程から殺気を振りまいて歩いているためか
誰も近寄ってこないし、遠巻きにみている局員たち
そんな彼らには目もくれず、真っ先に目指す先は先程出て行ったなのはたちの下へ
気配察知で一番判りやすいと思われるなのはを探してきたが、どうにも見つからない
すでに艦内からは姿を消したようだ...
そこで一息つくと、思い出したように通信回線を開く
通信する先はもちろん彼の所属する部隊セイバーへ、だ
出たのは彼の上司であるエリスだ
内容が聞かれないように念話での通信に切り替えた..
『(ハイ、シュウジ! 何か用かしら?)』
「(用件があるからこうして通信している。
とりあえずこっちに提出する資料とか亜空間領域経由で回せ
じゃないとこっちがうまく動けん)」
『(既に準備してあるから、早速送るわよ)』
「(・・・確認する.... ん、大丈夫だ)」
『(それよりも厄介なこと起きてるようね)』
「(見てたのか?)」
『(まぁ音声だけだけど。 困ったものね、あの管制人格さんには...)』
「(そっちで調べられるならやってくれないか?)」
『(別にかまわないけど...。 必要だったら「アレの鍵」渡すけど?)』
「(まぁ最後の手段として使うかもしれないからそん時はよろしく頼むわ
あと、こっちからの提案、いいか?)」
『(何??)』
「(【エンジン】、今から造ったとしてどれくらいのものが出来る?)」
『(【エンジン】ねぇ... やってみないと判らないけど、まぁあのサイズで造るなら
最低で標準〜改クラス、無理すれば【ラ・ス・トゥール】ぐらいいけそうだけど..
でも相性とかあるのよ? 貴方に装着できたのもある意味で奇跡よ?!
それをあげるというの??)』
「(・・・・・・・・・・)」
『(まぁ貴方が望むことならば全力でサポートするけど、開発費もそれなりにかかるわよ?)』
「(それは二の次だ、こちらがマイナスになろうとも全力で護ってやる
そう誓った、だから・・・・)」
『(決意は固いようね。 判ったわ、今から開発部に指示書だしておくわ)』
「(よろしく...、こっちはこっちで何か手伝えることあったら動いてみるわ)」
通信を切るとちょっとは晴れた気分で艦内をうろつく
そして目の前にクロノが現れた
「シュウジさん....」
ちょっと怯えているような印象を受けた
まぁ先程の殺気を受ければ誰でも(戦い馴れてない人間なら)そうなるわな...
「先程はすまなかったな。 我を忘れていた。」
「い、いえ。 こちらこそすいません...」
「「・・・・・・・」」
お互い話が続かない...
話を切り替えようと懐から紙の束をクロノに手渡す
「?? これは?」
「何って、あん時言ったろ、オレが干渉している依頼と行動理由についての資料だよ」
「・・・あぁ、リインフォースのことですっかり忘れてました(汗)」
「まぁそれくらいの事態だしな。 そういやなのはたちが何処行ったか知ってるか?」
「なのは? ちょっと待ってください・・・・」
と、空間モニターで検索を掛けると既にアースラから出て行ったことが表示がされていた
詳しく調べた所、本局の無限書庫に居ることが判明した
「無限書庫?」
「本局内にある資料室みたいなものです。 ただしその量が無限に蓄積されているために
この名が付けられています。 おそらくなのはたちはこの状況を打破するために・・・
あ、居ました。 数分前に中に入っていますね....」
クロノが示したモニターには無限書庫に入っていくなのはたちの姿が見て取れた
「ここで見つかるのか・・・ 解決策は?」
「次元世界のありとあらゆる事象が納められているというくらいですからね。
ここで見つからなかったら策がなくなるわけですから、ある意味で最後の切り札と
言っておかしくは無いと思います。」
「・・・そうか。 ならばこちらも独自に動くとするか...
クロノ、早速で悪いんだがしばらく別行動させてもらいたいんだが、許可をくれ」
いきなりの提案に戸惑うクロノだが、その理由を聞いて納得して、
すぐさま上司のリンディ=ハラオウンへと打診した
その報告を受けたリンディさんも渋々ながらもこれを承諾
それを確認した後、直ぐさまシュウジは元の世界へと帰還していった...
−第97管理外世界外 地球付近の宇宙
旗艦 バーストスター
「いま戻ったぞ。」
急ぐ足を緩めずに旗艦である戦艦へと帰還したシュウジ
同僚やクルーから「お疲れ様〜」と言ってくる連中を簡単にあしらいいつつ、
上司の元へと急ぐ
「シュウジだ、入るぞ」
上司の部屋の扉が開ききる前に身を捻るようにして強引に割り込んで入るシュウジに
部屋の主であるエリス=L=ナイトメアはため息をつきながらも彼を出迎える
彼女の容姿は金色の髪をざっくばらんに切りそろえたロング、胸はそれなりに大きい
(本人はCとかいってたがオレの目が確かならB−くらいだろう)
身長は170cm前後、体型は細身、標準よりもちょい細めだがそれが良い感じになっている
今はその体型をキチッとした隊服で決めている
「おかえり・・・。 んで、こっちに戻った理由は・・・聞かなくても判ってるわ
その顔をみれば一発ね(笑) はい、あそこの使用許可カード」
スッと彼を一瞥した後、後手で何かのカードを投げ渡す
それを受け取ったシュウジは何も言わずに出て行った
「まぁ頑張りなさい、彼女たちのためにもね...」
窓から覗く星の瞬きとガラスに映るエリスの顔が何ともいえない雰囲気を出していた
バーストスター 施設内 転移室
いつもは無人で滅多に使われる事の無い施設の一つ
この艦にはそういったクルーにも知られていない施設がまだたくさんある
少し話を逸らすことになるが...
もともとこの艦はシュウジが属している組織で造られたものではない
昔地球近辺に飛来した謎の宇宙戦艦をそのまま使っているだけだ
かつて飛来したこの戦艦をこの部隊の隊員たちが『掃除』したものだ
その中身は現代の科学技術では造れないオーバーテクノロジーであったため、
表向きは破壊したことにして、裏でこっそりと回収され中のシステムを有人化して
今に至る...と...
話を戻そう...
この転移室もその一つでその転送先は謎の空間である
かくいうシュウジもこの部屋に来るのは生涯で2回目であるが...
「(やはりここを使う羽目になるとはな...予想していたとはいえなんとも気が進まん)」
少々愚痴を零しながらも転移された先の空間へと投げ出されるシュウジ
転移された先に広がるのは何も無い空間だ
自分の姿以外は何も無い、広がるのは漆黒の闇だけ...
自分の姿すら認識できるか解らないほどの暗い昏い暗黒が...
状況を確認したシュウジは目の前にある『何か』に向かって詠唱する
「汝、我の願いを聞き届けるものか 汝、我の期待に添えるものか
我は汝の主と契約するものなり 我は世界の神と結びしものなり
我は請う、真実を、世界の事象を、そしてあるべき姿へと
我が前にいでよ 【金色の黙示録(ロード・オブ・バイブル)】よ」
名を呼んだ瞬間、何も無かった空間に金色の光が出現し溢れる光が爆発
光が晴れた後には宙に浮かぶ金色の球体がそこにはあった
まるで自分こそがこの空間の主であるかのように鎮座していた
【我を呼ぶものよ 汝の呼びかけに応じ、我参上した
我が名は金色の黙示録。よく来たな、シュウジよ】
その球体から声が聞こえる
しかし周りには響かない静かな声だ
この空間だから気がつかないのかもしれないが実は念話で話しかけられているのだ
「オレはあんまり使いたくなかったがな。」
【そうだろうな、かつてのお前・・・】
「時間が無い! 手早く済ませたいからさっさとしろ」
【・・・・・・。
相当切羽詰っているようだな。判った、始めよう
さぁ我に触れるのだ...】
苛立ちすら覚える彼の言葉に若干の戸惑いを感じながらも
球体に触れるように命令する
触れると同時に金色の球体は爆発し、辺りを漆黒の闇から光溢れる空間へと変えた
そして光の中から広がるいくつもの世界、出来事、人々の姿が....
その中にはなのはたちの姿や、海鳴市の姿、
・・・そしてシュウジの幼き頃の姿などが映し出されていた
「では問う。オレが抱えているかの者を助けるために必要なものは?」
【お前が必要なものか...
此奴が... なるほど、たしかにこれを助けると云うには『知識だけでは』難しいな】
先程シュウジが触れたことで彼の記憶内にある『彼女』のデータが空間に投影される
【新しいデバイスとやらに移すとしてもその先の容量が足らんな
かと云って分配するとしてもベルカ式か、そちらの方が大部分を占めているようだし
ベルカ式をどこらで分けるかが問題となるな
ミッド式は問題ないくらいだが...】
「・・・・やはりそうか
ではこちらが考えている解決策は・・・・」
スラスラと起こると思われる問題を提示、それとシュウジの考案した策と討議する..
−【金色の黙示録(ロード・オブ・バイブル)】
これこそ無限書庫と違うこちらの『切り札』である
無限書庫が知識を納めて閲覧できる場所であるならば、
こちらは自我を持ち、意識共有しながら対話(討論)できるモノ
一人で情報を集めてもそれを次の作業に移すのには限度がある
なので討論するにもそれに似合った知識を持つ者との知識が無ければ成り立たない
それを『金色の黙示録』は自身の記憶として保存、元々持ち合わせている知識と
照らし合わせて更なる回答を求めようとする
それの知識量は途方もない、それこそ無限書庫内でも『禁忌(タブー)』とされる
モノでも多数内包している
(遺失捜索物(ロストロギア)・オーパーツなどがそれに当たる)
だが、『金色の黙示録』は、意識を持った知識の集合体でもある
例え危険なものならば使用者がそれに似合った性格・技術力を持っているかを判別し
各々の持つ知識がそれぞれ違った意見を出し、それを統合して語りかけるのが
『金色の黙示録』の特徴である
「・・・・それでいいか」
【現状ではこれが最善であるな... 】
2時間以上討議した結果、なんとか許容内に収まったという感じだ
【お前の体力も限界っぽいからな・・・・ 大丈夫か?】
「・・・・・・・・・・。
心配は無用だ...」
問いかけられる言葉に荒げた呼吸を繰り返しながらも
あまり意味のない返答するシュウジ
正直、あの戦闘後の疲労がたまっていたのは事実だ
リインフォースの事を第一に考えていたため、
『対極輝衝砲』を撃った後の体力の消耗や魔力・闘気の回復が
それほどされていなかったからである
いつもならば自動修復などの機能を実行していたはずなのだが...
そしてこの空間内は僅かながらに体力を消耗する
たとえ僅かでも空間に留まる時間が長ければ長いほどそれは蓄積されていく
【最後に聞くが本当にそれでいいのか?
少なくとも恨まれる事になるかもしれんぞ】
「構わん。 恨まれてるのは慣れている
それに彼女たちが泣かないようになるならそれで充分さ
それだけでも報酬を貰うだけの価値はある」
言葉だけ聞くと心配しているようにも聞こえる金色の黙示録に
ちょっとおちゃらけた表情で語るシュウジ、だがその顔はすこし曇っている
【・・・お前の本心まで知りたいと思わんからな
次に来る時はいい結果が報告できるといいがな】
「努力はしてみせよう
ありがとうな、・・・・よ」
この言葉を皮切りに現れた時と同じように光が爆発し今度は何もない漆黒の闇へと
暗転する
その空間を目の前にして彼は呟いた
「まるで・・・オレの先を暗示しているようだな...
ま、気にすることもない。
オレはオレの信ずる道を行くだけだ
さて時間も残ってない...か、」
管理局外世界の住人 9(完成)
今週も更新しなかったらやばかったので、必死に頭ひねって書いてみました
感想などありましたらよろしくお願いします
これ聴いてます☆
魔法少女リリカルなのはポータル「時空管理局」
とりあえず本編です。
「私がピンチの時は必ず助けに来てね...」
「あぁ、必ずだ...オレが護ってやる...」
「・・・・?
・・・・・・・!!
・・・・・止めろ!
父さんッ! 母さんッ!! レナぁぁぁあッ!!!」
____________________________
ガバッと上半身を起こすと同時にドッと汗が吹き出てくる
手のひらも汗でベトベトになっている
「・・・夢か? クソッ...」
いつも見ている悪夢、それがこの汗と全身にかかる気怠さである
家族を失うことになった忌まわしきテロ事件、それが悪夢の正体である
再びその身を横たえようとしてふと後頭部にかかる柔らかな温かみ、
何か違和感が....
「・・・///
恥ずかしいのだがな、シュウジ」
「・・・あ?」
声は平たいのだがちょっと恥じらいがあるような声が頭の上から聞こえてきた
その方向へ首を動かすと先程まで戦っていた闇の書がオレの顔を覗き込んでいた
僅かに動かした髪の毛の擦れ具合でちょっと身を捩る姿はちょっと可愛かったのは
内緒だ(笑)
「何をしている?」
「・・・見て判らんか? 膝枕だ....///」
「・・・いや、それは理解した。
何でお前がそれをやっているんだ、と聞いているんだがな、『闇の書』よ」
「わたしがお願いしたんよ、お世話になったんやからそのお詫びにな〜(笑)」
闇の書の隣には八神はやて...白銀のバリアジャケットを装備した姿でそこにいた
「八神はやて....。無事に出てこれたようだな...
区切りは着けたようだな...良かった...」
「ご心配をお掛けしました。
それとこの子を救ってくれてホンマにありがとうございます」
はやてはオレにはもったいないくらいの笑顔で御礼を言うが、
やんわりと断りを入れつつもこう答えた
「そのことについてはお前の方が功績が大きいよ。
最後までそいつを信じたお前だからこそ...だ。
ん? お前が此処にいると云うことは...、フェイトは?」
「私ならここにいますよ。シュウジさん」
その隣にはオレの顔を覗き込む形でフェイトとなのはがいて、
一歩外れた所でヴォルケンリッターの面々と見知らぬ男の子がいた
ちょっと慌てた感じに身を起こそうとしたが腕から力が抜け、
また闇の書に倒れ掛かる、それをやんわりと受け止める彼女
体勢がちょっと抱きしめられているようにも見えるこの状況...(汗)
その様子を見ていたシャマルが近づいてきて「動かないで下さい」と注意を促す
なすがまま治療に入るシャマルを見据えつつ、かねてより気になっていた質問を
抱きしめたようにしてオレを支えている闇の書に問う
「そういや何故お前がのほほんと此処にいるんだ?
オレたちは戦っていたはずだが...」
「あ、それは私が説明するね、おじさん」
なのはのおぼつかない説明に、はやて・フェイトたちの体験などを付け加えて
なんとか纏まり...がつかなかったので、仕方なく?ユーノが出張ってきて
説明してくれた。
___要約するとこうだ
オレが意識を手離したあと闇の書は自らの意志で
(取り込まれた主、八神はやてとともに)
夢の中(闇の書が見せていた優しい夢)に取り込まれた主とともに未来を生きる
という決心とともに戻ってきた
フェイトもはやて同様、優しい夢を見続けてたのだが、
あの時オレが言った言葉が聞こえたらしく
記憶が爆発するかのように、突然になのはの事を思い出し
夢の住人たちと別れを告げこちら側へと帰還することが出来たらしい
そして闇の書は主より新しい名前−祝福の風 (リインフォース)をもらい
長年その身を蝕んでいた【闇の書】のプログラムを破壊して本来の自分に戻るために
そして、主はやてに仕える騎士として...
そこで高町なのはに頼み、純魔力砲撃によって防御プログラム自体にダメージを与え
その隙にはやてとリインフォースがシステムを書き換え、管理者権限をこちらに
回すことに成功、リインフォースの中から防御プログラムを排除したらしい
ヴォルケンリッターの面々も真の主として覚醒を果たしたはやてが
守護騎士システムを修復させて元通りにした
みんなで一息ついていたらそこにいる男の子−クロノが登場、
闇の書の防御プログラムが暴走する前に全員でこれを破壊して二度と悲劇が
起こらないように完全消滅させようと決まったところ...
んで、そのときにオレが目覚めたという訳だ...
「はい、シュウジさん。これで動けるぐらいには回復したはずですけど...」
と、シャマルがかざしていたデバイスを退けながら言った
その言葉は本当でさっきまで動けなかった身体が普通に動けるぐらいにまで回復していた
「成る程、これが魔法による治癒か。
なかなかのもんだ。 ありがとう、シャマルさん」
ちゃんと礼をし、立ち上がると同時に控えていた男の子がこちらに来た
「回復してすぐで申し訳ないが、いいでしょうか?」
それについては気にせずに「構わん」と言って話を続けさせる
「今回の事件についてのご協力感謝します。
しかし貴方が支援したせいでこちらにも被害が出ている節があります。
つきましては事件終了後、我が艦までご同行願えますか?」
クロノの言葉になのはたちが反論しようとしたが、
シュウジはそれを手で制しつつそれに応える
「了解だ。 もちろんこちらもそれなりの行動理由があるからな。
それの書類とかも提出したほうがいいのだろう?」
「・・・・。 話が早くて助かります」
「いや、うちのところでも似たようなものだからな、慣れてしまったよ(笑)」
と言うと二人して力なく笑う。
どうやらこういう出来事はどこの世界でも似たようなものらしい...
「あ、申し遅れました。僕はクロノ=ハラオウン執務官です。」
「オレもちゃんと名乗ってなかったな。
んじゃみんなには改めて自己紹介を...
名前はシュウジ=ウォルサム。
元傭兵で、現在はあるところにある組織の番犬だ」
「よ、傭兵って..(汗)」
クロノの紹介に続くようにシュウジが自己紹介をする
しかし傭兵って言葉を聞いた者の反応はイマイチだ
ヴォルケンリッターやリインフォース・クロノ・ユーノは判るが
なのは・フェイト・はやては頭に『???』と付いているみたいだった
「あ〜、判りやすく言うと、お金で雇われた兵隊さんの事だよ」
「・・・簡潔に言うとそうだな、ナイスだフェレットもどき」
「クロノ、キミは変なところで横槍をいれるの止めてくれないか?」
「事実を言ったまでだと思うが...、ゴホン。
話を続けてください」
「あ〜、いいのか? ユーノくんがかなり怒っているようなのだが...」
「いつものことですので気にしないで下さい」
「わ、判った。んで・・・」
ユーノとクロノを交互に見て言ったのだがそれをクロノが一蹴して話を続けさせる
話し始めるオレのすぐ横ではやてが小声で「ユノxクロってのもえぇな〜」って
呟いていたのはスルーしておこう(笑)
「番犬って事はアタシらと同じかい?」
「言葉上の意味で、だ。
先程の言葉で言うなら金で雇われてる雇い主から見ればオレの存在自体が化け物だからな
だから皮肉も取って番犬って周りから言われてるだけだよ」
アルフがザフィーラを指差しながら言ってきたが、
それに害することも無く淡々と事実だけを述べる
「・・・つまりシュウジさんは異世界、なのはたちの世界とも違う第97管理外世界から
やってきた魔導師ってことですか?」
「・・・ぶっちゃけて言えばそんな解釈でオッケーだ。
こちらの世界のある人物からの依頼でな。」
そこでまたも出てくる『依頼』の言葉、それを含ませつつなのはを指さしながら...
「『高町なのはと呼ばれる少女とその仲間たちを護ってくれないか?』という..な」
「わ、わたし?!」
名指しされて慌てるなのはに苦笑するシュウジにフェイトから声がかかる
「でも、なんで『なのはとわたしたち』って限定してるんですか?
何か裏があるんじゃないのかと思うんですけど」
当然な意見だ、特にオレらのような裏の仕事を請け負う連中からの依頼となると
訝しげな依頼も多い、オレの場合だと10件中6件がデマやらオレを恨む連中からの
差し金だったりする
その場合は依頼主共々殺しているけどな...
話が逸れたので元に戻そう___
「まぁ依頼主が明かせないのでな、詳しいことは知らないが多分オレと同類だと思われるな」
「依頼主が明かせない?」
なのはの疑問ももっともだが、それに対してはクロノが答える
「依頼人には守秘義務というものが存在する、それがたとえ依頼者本人に関わることでもだ
なのであって、明かせないということもあるんだ」
「説明ありがとう。 だからさっき言った『同類かもしれない』というのも
あくまで予想だからな。
まぁ腑に落ちない部分あるとおもうが、納得してくれるとありがたい
・・・あぁ、あとひとつ訂正を。オレは魔導師じゃないからな。
これだけは頭の隅にでも置いてくれれば良い...」
みんなためらいがちに首を縦に振る
そんなときを見計らって艦船アースラの通信士であるエイミィから通信が入る
『は〜い、みんな忘れてないかな? あと10分で防御プログラムが活性化するよ
準備だけは怠らないでね!
ちなみにこっちの準備はそろそろ終わるよ、クロノくん』
「そうやった、忘れちゃいけへんかったわ。」
「忘れてたんかい! (ビシッ)」
軽く突っ込むオレに「う〜んナイスや、シュウジさん」と返すはやて、やっぱ関西人だな
まぁここで遊んでいてもしょうがないって事で一堂に緊張が走る
「みんな、もう一度確認するぞ。
なのは、ヴィータ、シグナム、フェイトらがあれの防御プログラムのバリアを撃ち貫く
そして、僕の魔法とはやての魔法で動きを固めたところを3人が一斉砲撃でコレを破壊。
間髪いれずシャマルとユーノ、アルフの3人がアースラまで転送、あとは・・・」
『アースラのアルカンシェルで止めだね!』
全員がクロノに集中し、首を縦に振る
「あ〜、クロノ。オレはなにをすればいい?」
「シュウジさんはみんなの支援をお願いします。 貴方の戦闘力ならば特に問題ないと
判断しましたので。」
「支援だな、了解した。」
クロノに同意するように首を縦に振る
「シュウジ、貴方の力ならば高町なのはたちが苦戦する場面が出てくるかもしれん
そのとき存分に奮ってくれればいいだけの話だ」
「そうや、ぶっちゃけ4層になっている複合バリアを破らない限りは
こっちには防御プログラムのコアどうこうするっちゅーって事はおろか
勝ち目すらないんや。」
リインフォースがフォローするように言い、はやてがそれに続ける
「ま、オレの最大威力の攻撃にはバリア無効化が付加されるからなぁ。
援護できる範囲で何とかやってみるよ...」
これで決まった___、全員が所定位置についたところで
はやてとともにいたリインフォースがシュウジに向かって念話を送ってきた
「(なんだ、そろそろ時間だぞ。)」
「(すまない、どうしても先に話しておこうと思ってな。
防御プログラムを倒した後の話だ。
主はやては私がいなくなっても大丈夫だと思うか?)」
・・・仮の話だがと言うことも付け加えて質問してくるリインフォースに
答えを濁すシュウジ
「(一概に大丈夫とも言えん。この先、お前がいない世界ではやてが絶望するとも
限らないからな。 こんな話をすると言うことはまさかお前...)」
「(言っただろう、仮の話だと。 まぁ私が消える前にお前が何とかしてくれると
信じてるしな///)」
「(言った本人が照れてどうする。 まぁ手が無いわけでもないからな。
だから助けて貰いたい状況になったら必ず言え!
これはお願いではなくて命令だからな!)」
「(あぁ、ありがとう...)」
「(リインフォースのヤツ、何か隠してるか? とりあえず検討事項に入れておくか..)」
念話の後リインフォースが何かを隠していると予想、
コレが終わったら理由を問いただしておこうと頭の片隅に置いておいた....
「リインフォース、そろそろ時間や。 始めよっか!」
「はい、主はやて!
(いまこの時だけは、主のために全力を出す!! そのために雑念は捨てておく)」
「「ユニゾン・イン!!」」
二人が手を取り合い、指をどちらかもなく絡ませ、その身が一つに融合する
その姿は闇の書として戦っていた時とほぼ同じ服装なのだが、若干変化していた
黒主体の騎士甲冑だったものが白銀の騎士甲冑になりその神々しさが増していた
その姿は見ていた者たちを圧倒する、もちろんシュウジも込めて...
だが、その時間も終わりを告げるように海面部分から
障気を伴った火柱が四方に飛び出してくる
その熱さとは裏腹に彼ら・彼女らにのし掛かる暗い空気と得もしれない不安感
それを吹き飛ばすようにシュウジとザフィーラの雄叫びが空を突く!
「雄ォォォォォォオオ!!!」
「破ァァァァアアアア!!!」
裂帛の気合で今にも誕生しようとしている闇の書の闇を牽制とばかりに射抜く
「オオオォォヲヲヲオッヲ」
それに反発するかのように雄たけびで返す闇の書の闇だが、そんなものは効かない!
「いくよ!みんな!!」
なのはの声を皮切りに闇の書の闇への一斉攻撃が始まった...
「先鋒切らせていただく! 行くぞ孔鬼!!カートリッジロード!」
『承知! ロードカートリッジ!!』
「孔鬼...Exprion!!」
『承認、Exprionモード!』
ここぞとばかりに先鋒を切り出すはシュウジ、まずは目の前にある邪魔な触手どもを
斬り飛ばす!
孔鬼へカートリッジロード、ガコンッという重苦しい音ともに
孔鬼斬貫刀が【Exprionモード】へ移行、
続けざまにもう一回【スラッシュ】カートリッジをロード
カートリッジロードした魔力を魔力刃の上からさらにブースト、
漆黒の刃が形成され、5mクラスまで刃が伸びた
それを大きく振りかぶると同時に目の前の化け物とともに海面を抉る
そしてその眼前に広がる触手どもを一刀のもとに斬り捨てる
「見たか、これぞ奥義、カラミティスラッシュだ!」
触手が根こそぎ斬り捨てられて不気味な悲鳴とも叫び声とも呼べぬ咆吼があがる
それを見据えつつ、次は自分だとばかりにヴィータが続く!
「なら次はあたしからだ!! いくぜ、アイゼン!!」
『ja!』
「あたしは鉄槌の騎士 ヴィータ! 夜天の主のもとその力を奮う!!」
自らの相棒の名を呼び、自らも鼓舞する
「カートリッジロード! ギガントフォーム!」
『Gigantform!』
それに応えるは長年付き添ってきた相棒、そして戦友であるデバイス
すぐさま意を汲みその姿を変える
その大きさはヴィータの身長の倍以上の大きさになり、そのデカさはまるで
地上から天を衝くような大きな槍のようだ
それをただ勢いのまま闇の書の闇へと振り落とした
「ブチ抜けッッ! ギガントシュラークッッ!!」
その大きさからは使用者ですら振り回されそうなものだが、ヴィータはそれを難なく
ただ力の限り文字通り、その鉄槌を叩き付けた
その破壊力に最初の装甲と呼べるべき魔力結界は
鏡が割れるかのような音を立てて割れる
「「今だ、続け・・・!」」
「続けていくよ、レイジングハート!」
クロノとシグナムの声が・・・
なのはの声にかき消されるように耳に届く
『ALL Right my Master!』
「高町なのはとレイジングハートエクセリオン!行きます!!」
ヴィータ同様名乗りを上げて自らを鼓舞、それはレイジングハートも同じこと
「私の輝きは誰にも消せやしない! 今までも、そしてこれからも!!
一点集中!エクセリオンバスター!!」
『Cartridge Load! ExcellionBuster standby!』
カートリッジロードからの一点集中砲撃、それはバリアが強固であった闇の書の防御から
学んだなのはの新しい砲撃だった
そのチャージ中を狙うかのように闇の書の闇の触手がなのはへ向かう
「おじさんっ!」
「ッ! 任せろ!」
だが、その前方にはシュウジが待ち構えるように移動していた
なのはの声に合わせるように射線上で、半身の状態で構える
孔鬼Exを弓のように引き絞り、右手は宙を掴んだまま闇の書のへ向かっている
「吹き荒べ、孔鬼・・・」
左手には孔鬼Ex、右手には漆黒の魔力球が...
何かを呟くと同時に右手のそれを前方に放り投げ、構えた孔鬼Exで突き刺す
「ディバインスマッシャー!!」
突き刺した地点から漆黒の雷撃が闇の書の闇と向かい来る触手を飲み込む
本体はバリアのおかげか大したダメージは無かったが、触手は溶かされたように
ジュウジュウと音を立てて崩壊していく
「行け、なのは!」
なのはへの声と同時に射線上から回避、
だがそのわずかな時間になのはのチャージは終わっている
「エクセリオンバスター!!」
発射! 寸分の狂い無く先程シュウジが放った砲撃と同じ場所へ突き刺さる
だがバリアに阻まれなかなか侵食できない
そこにレイジングハートとなのはの声が...
『One point concentration!』
「!! 行けぇッ! レイジングハート!」
先程覚えた砲撃のバリエーション、『一点集中』タイプのエクセリオンバスターが
ビビ割れた部分を集中的に削っていく!
その攻防も数条後にはなのはの勝ちで収まる
貫通した場所からヒビが広がり全体まで広がったと同時にバリアが破壊された
「2つめ!!」
はやての声が...
「次は私が行くぞ! レヴァンティン!」
『ja.』
「私が魅せるは刃の連結刃に続くもうひとつの姿を...」
レヴァンティンを入れる鞘とレヴァンティンの柄頭を合わせるように合致させる
『Bogenform』
カートリッジ1発ロード、レヴァンティンの言葉とともに形状が変化
剣のカタチから弓のカタチへと切り替わった
「我が主の未来を切り開くため、力を貸せ!レヴァンティン!!」
『Jawohl』
魔力で形成された矢を継ぎ引き絞る、それと同時にシグナムの身体より
魔力の高まりとともに足元より炎を帯びてくる
限界まで溜め込んだ魔力とともに矢を放つ!
「貫け、隼!」
『Sturmfalken』
その速度は目で追えないほど、その速さは音速を超えて闇の書へ突き進む
もちろんその速度で迫るものに防御など成し得ないが、
闇の書は自慢のバリアを展開している
だが、それもこの攻撃の前ではそんな余裕なぞ全てが無と帰す
「穿ち落とせ!」
止めとばかりにレヴァンティンを元に戻し、『シュランゲバイセン』で
抵抗を続けるバリアに向かって矢を後押しする
その後押しを受けて更に抵抗を続けるバリアを侵食、爆裂音とともにこれを破壊する
「シグナム、あとは任せて!」
『sir. Load Cartridge!』
最後のバリアを破壊するものとしてバルディッシュ....今のカタチは鎌ではなく
金色の刃を持つ巨大な剣だ
「リニスと姉さんから託されたこの力で闇を斬り払ってみせる!」
金色の魔力刃を振りかぶりまずは一閃!
その一撃でまずはとばかりに闇の書の周りを捕縛する
(これは一種のバインドか..)
「そして、私たちの住む場所を、世界を破壊させやしない!」
その反動を利用して天高く剣を掲げる
その剣に向かって魔法によって展開された雷が刃を通してフェイトへと収束される
フェイトの身体は帯電したような光を持っていた
だが、それもバルディッシュに持っていく
フェイトに帯電していた力をも吸収したバルディッシュはその刃を伸ばしその長さは
先程のヴィータのギガントフォルムよりも大きくなっていた
「撃ちぬけ!雷神!!」
『Jet Zamber!』
それを力いっぱい振り落とす!
バリアに拮抗するかと思えばバリアと刃が激突した瞬間にそのバリアが紙のように
斬り払われ、その勢いのまま本体を大きく切り裂く!
「やった! ダメージが与えられたぞ!」
誰かの歓喜の声が届く中それを遮るように別の声が響く
「感心している場合か! コレからが本番だぞ... 来るぞ!」
その言葉に反応するように闇の書の触手が復活、本体からも次々と砲撃体勢が...
「させん、我が名はザフィーラ、守護の獣!そして主たちを護る楯なり!!」
砲撃よりみんなを護ろうと前に飛び出す影、言わずと知れた守護獣、ザフィーラ
「鋼(はがね)の軛(くびき)! てぁぁあありゃああぁあああ!!」
構えた両手より放たれるはベルカ式の捕縛魔法、
その鞭のような攻撃?で発射体勢にあった触手全てが切り払われる
だが、本体の砲撃準備は止まらない
「本体はオレに任せろ... 」
そこに割り込むはシュウジ、両手には何も持っていない
「漆黒を跳ね除ける光の乱舞、それをお見せしよう!」
天高く両手を掲げその両手に光り輝く光球が生まれる
何色にも染まっていない白く輝くソレを無造作に放ち
「(見様見真似)オレ式必殺 ストナーサンシャイン!!」
それをオーバーヘッドキックで蹴り飛ばす
不規則な弾頭で放たれたソレは少し狙いがズレながらも本体へ着弾
光の柱を轟かせ、本体全体を包み込む
柱が晴れたときにはボロボロになりつつもまだ健在している闇の書
だが、ダメージは大きそうだった
「今だ、この機を逃すものか!!」
そして動くは管理局の切り札と称されるクロノ=ハラオウン
「(リインフォース、やるよ!)」
「はい、主はやて!」
さらにリインフォースと八神はやて
構えていた新デバイス、デュランダル−彼の師がクロノに託した闇の書封印計画で
作り出していた闇の書封印に特化したデバイス
−それを構え、詠唱を始める
「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ」
その詠唱とともにクロノに集まる魔力の高まりと氷系魔法特有の冷気が周囲に展開
「わたしたちの住む世界は私たちが護るんや!」
「今まで私に巣食っていた半身よ、今こそ断罪の時!」
「「あなたの罪は私たちが償う、だから・・・」」
涙さえ見せないが声色と表情がソレを物語っている
だが、ひとつ目を瞑った後、目を開けた顔は何かを決意した顔
その決意のまま詠唱を展開する
「「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け。」」
はやてとリインフォースの声が同時に響く
「凍てつけ! エターナルコフィン!」
「「石化の槍、ミストルティン!」」
クロノとはやてたちの魔法が同時に発動する
エターナルコフィンで海面から闇の書を凍結させつつ、
ミストルティンで上半身から石化させていく
それが全身に伝わったところで本体は音も無く崩れ去る...
誰かが「やった」と声を上げる中、その変化は起きていた
崩れていく身体には目もくれず、新しい身体を構成する闇の書
その姿はおぞましいを通り越して気持ちが悪いという感想
明らかに生物としての強い部分だけをくっつけてみました、というような
出来に反応するはシュウジ
「そんなもんで...オレたちを止めることが出来ると思っているのか?」
だがこの気を逃すほど悠長なものいではない
修復している時間こそ本体の無防備な時
「コレで終わりにするよ! フェイトちゃん!はやてちゃん!」
「うん!」
「はいな!」
「(判ったぞ、高町なのは)」
なのはの声に応えるフェイト・はやて(リインフォース)
それぞれが3方に散ってそれぞれが得意とする魔法の詠唱を始める
だが、偶然なのか必然なのか再生中の闇の書の破片が
なのはへ向かって飛んでいく
一瞬のことだったので誰も反応できていないし、
それに気付けた者もいなかった
一人を除いて...
瞬間移動をしたかのような動きで一瞬でなのはの前に躍り出たシュウジ
その破片を右腕で受け止める...が、
その破片だけでも侵食効果があるのか
受け止めた部分から破片が触手を伸ばし心臓部へ向かって侵食を始める..
「おじさん、それ?!」
「気にするな、そっちはチャージを続けろ!!」
「・・・・うん!」
傷を見つつ、冷静に左腕で侵食を続ける腕を掴んで
力いっぱい引っぱる...
ブチブチッと小気味良い音ともに片腕を引っこ抜いた
つまり自ら片腕としたのだ
引き抜かれた腕からは侵食を続ける闇の書の触手っぽいものまでもが
不気味な動きを傷口から見えていた
「シュウジ、大丈夫か!?」
「あぁ、心配するほどではない。安心しろ」
やはり気になったのかシグナムが近づき、
シャマルが寄ってこようとするがシュウジはそれを手で制する
「それよりもこいつを...
・・・ふん!」
引き抜いた右腕を闇の書へ力いっぱい投げつけ、それを本体に当たると同時に
腕が爆発する
その爆発で闇の書は何かに固定されたかのように動きを全て止めてしまう
・・・シュウジの原動力は■■■■■で出来ているのでその影響を受けている身体は
その属性の力をもっている
なので、片腕だけでもかなりのエネルギーが溜め込まれている為、
暴発した場合その属性の効果が付加されるのである
この場合の属性効果は【空間内の時の進みを一定時間停止】である
「『ディヴァイン』カートリッジ、ロード!」
その隙にカートリッジロード、切り札であるカートリッジを惜しみなく使用
その魔力と氣の回復力で失った右腕を再生させる..
−きぎれた右腕から金属骨格が神経・血管のように形成され、それを防護するように
人工筋肉と皮膚が被さっていく...
1分も経った頃か、右腕は元通りになった
「「「「「「・・・・・」」」」」」
みんなして絶句していた、チャージ中のなのはたちでさえもだ
シュウジからすれば肉体の損傷なんかは日常茶飯事なので、別に気にしていなかったが
さすがに周りの目がそれを異常だと言っているようだった(笑)
「そんなことより、チャージ済んだか?」
「・・・・・。
あ、はい。こっちは終わったよ」
「私も」
「うちもや」
「なら早く撃て。 そろそろ時間停止も終わるからな」
眼下で身動きを全くしていない闇の書をチラリと見ながらそう言い放ったシュウジ
その言葉のとおり、闇の書とその周辺の空間がグニャリと揺れ始めていた
そろそろ効果が切れてくる頃だろう...
「行くよ、レイジングハート!!」
【ALL right! My master!!】
「行くよ、バルディッシュ!」
【Yes.sir】
「うちらも負けてらんないで、行くよ、リインフォース!」
『はい、主はやて!』
三方に散り、それぞれが最も威力の高い魔法を行使する...
「全力全開! スターライトブレイカー!!」
【Starlight Breaker!】
「雷光一閃! プラズマザンバー!!」
【Prazma Zamber!】
「「響け、終焉の笛! ラグナロク!!」」
それぞれが持つデバイスから放たれる必殺の一撃が、闇の書へ
これに対抗する策も無く【時間停止】から逃れたばかりの闇の書へ迫る
次々と爆発する衝撃波と爆発音、そして魔力の高まりが撃ったなのはたちの肌を
チリチリと焦がす...
そして一際大きな爆発音とともに闇の書の身体が爆発、霧散する...
その中に黒き塊のようなものが露出する、これが闇の書の闇の核であろう...
「いまだ!ユーノ」
「お願いや!シャマル!」
「アルフ」「ユーノくん」
クロノ・はやての声に応えるようにフェイト・なのはも自分の使い魔や友達に声を掛ける
「言われなくても!」
「お任せを、はやてちゃん!」
「オッケー! 任せなっ!」
3人が三方に散りほぼ同じタイミングで転送魔法を発動...
「「「目標 アースラ目前!!」」」
核だけを移送させるのでなく、その周辺の空間ごと移送させる
そうすることで万が一の事態にも備えておく必要があったからだ
そのおかげか核を一部たりとも逃す事無くアースラが待機している宇宙へ投げ出した
「防御プログラムの核、あと10秒後にこちらに転送完了します」
「アルカンシェル、展開完了、チャージ率95%...100%!」
アースラのオペレーターたちの報告が矢継ぎ目に上がる
それを受けてエイミィが手元のパネルをすばらしい速度で指を走らせ、
アルカンシェルを展開、迫り来る闇の書の核を待つ..
「来ます!!」
画面を見ていたオペレーターからの声が響き、アースラの目の前に核がその身を現す
ここに転送されるまでの僅かな時間で多少なりともその形状を変化させており
再生能力はこの姿になっても健在だということを思い知らされた
それをスクリーン上で睨み付けるようにみるリンディ=ハラオウン艦長
手元にあるアルカンシェル発射起動キーを空間に出現した発射装置に差し込む
赤から緑に変わったことでいつでも発射できる態勢になった
リンディ艦長は大きく深呼吸したのち、「アルカンシェル発射!!」の言葉とともに
キーを捻る!
アースラの前方に展開された魔方陣からすさまじい威力の砲撃魔法が発射され
闇の書の核を性格に貫いた...
貫いたのち、内部で圧縮され膨張しながらその身を削るように
アルカンシェルがその効果を発揮していった...
誰もがこれで終われる...と思ったその矢先、内部爆発が止まりアルカンシェルが
爆発霧散する
誰しもその光景を信じられないような表情で見ていた
それは地上で見ていたなのはたちも同様だった
管理局が有する最強の切り札とされるアルカンシェルが防がれた以上
これに対抗する策は無いという現状...
誰もが絶望にひしがれていた...一人を除いて...
「防がれたか、やはり...か」
そのシュウジの呟きを何とか聞き取ったのはフェイト、「何故?」と返す言葉も
力無かったような声だったが
「考えてみろ、前回の闇の書が何によって破壊された?」
その言葉をよく知るのはクロノ、父を失うことになった原因でもあるからだ...
「そうか、アルカンシェルで...。 だからか!?」
「そうだ、可能性としてはこれが最有力だと思う」
「でも、アルカンシェルが効かないんじゃ勝ち目ないよ!?
宇宙に飛ばしちゃったからこっちからじゃ手が出せないよ?!」
なのはの叫びに近い言葉もそれほど状況が切羽詰っているからであろう
「まぁそうだな〜、影響が出ないって事で飛ばしたのが仇となったか...」
「リインフォース、「どうにかしてわたしたちを宇宙に飛ばせないんか?」
『申し訳ありません主はやて。 飛ばせても宇宙空間では防御魔法がありません
なので、行った所で何か出来るとは思えません』
「そんな!?」
「(確かにな。 ミッドもベルカも宇宙空間っつーところには行くことなかったろうに
アインスの言葉も真実だろうし...)」
冷静に状況判断するシュウジに通信が入る
通信先は本部基地からだった
『シュウジ、最終奥義の使用を許可します。 宇宙(そら)のアレを殲滅させなさい』
「エリス...。了解だ...、本気出していいんだな??」
『えぇ、本気でお願い。多分アレぐらいの一撃じゃないと倒せないと思うし』
「判った、アースラのほうの根回しを頼む」
『はいはい、判ったわ...ハァ』
僅かな変化を感じ取ったシグナムはシュウジに詰め寄り問う
「何か策はあるのか?」と....
「無いわけでない。
方法は2つ。ここから砲撃するか、直接出向くか、の2択だな
かといってオレは砲撃魔法も持ってないから砲撃案は無し。
・・・オレが選択するのは後者、直接ヤツを叩く事だ」
「直接だと?! 宇宙まで行けるというのか?!」
「宇宙なんぞオレにとっては一つの戦場に過ぎんからな。
時間も無いことだし行って来る、吉報を待ってろ!」
驚きを隠せないシグナムたちを追いやり、
今一度背中に『竜羽翼(ドラゴニックスライサー)』を展開、
すさまじい速度でこの場を離脱する
予備動作が全く無い上咄嗟の出来事で反応の遅れたなのはたちは
それを黙って見送るほか無かった....
シュウジは大気圏を突破、大気圏突破の際に起こる耐熱フィールドを自動で展開
さらに宇宙空間でも活動できるように特殊なフィールドを形成
闇の書の核とアースラの間に割り込むように間に入る
「こちらはシュウジだ。 アースラ艦長リンディ=ハラオウン殿とお見受けする
事前にうちの上司から連絡が行っているだろう。
この場はオレに任せ、撤退しろ」
『・・・アースラ艦長、リンディ=ハラオウンです。
大丈夫なのですか、生身で?』
「こちらの心配はする必要は無い。ただ民間人が戦闘にしゃしゃり出てきただけだ。
なので、たとえやられてもそっちが心配するようなことではないから安心だろ?」
『そういうことを言っているのではなくて・・・・』
「早く撤退しろと言ったろ。 撤退しないとなれば強引にでも撤退させるぞ!
オレの攻撃は周囲50kmが完全崩壊するからな。
最低でも100km圏内には近づくなよ。
警告はしたからな...。 じゃあな!」
一方的に通信を切るとアースラの後方にワームホールを形成させる
アースラにそれに入るように指で指示、
それに従うようにアースラがワームホールへと消える
空間を渡ったことを確認した後ワームホールを閉じ、目の前の標的に集中する
「待たせたな、これで貴様を終わらせてやるよ」
宣言とともにシュウジの身体から燃え上がる炎のような闘気が爆発する!
続いて力をためるように腰溜めの構えから両手を天高く掲げ、
その手の中に太陽のように輝く光球が生まれる
見た目でもかなりの輝きを持っており、
その弾に篭められている威力も容易に想像できるようだ
チャージすること10秒、シュウジは詠唱を開始する..
【我が手に集いしは閃光する輝き 我が身に集いたるは絶対の滅び
我は請う汝の滅びを】
詠うように、世界に染み渡るような声で目の前の愚者への鎮魂歌のように
「これで・・・終わらせるッッ!! 闇の書よ安らかに眠れ...」
光球を野球の投球フォームのように構えて、ブン投げる!
『対極輝衝砲(ソルナール・ライトニングバスター)!!』
・・・シュウジが有する『対極(ソルナール)』系の奥義の一つ
宇宙空間でのみ使用可能、リンカーコアと自身の動力炉を同調させ
限界以上の魔力放出を可能とさせる自己ブーストも兼ねた砲撃
撃った後は一定時間の冷却時間を有するが...
当たった瞬間より光球の輝きがさらに上がる
直視出来ないくらいの閃光とともに熱量が襲い掛かる
熱量は軽く1万度を超えていた
溶けるように消えていく核を眺めつつシュウジは思う
「(やっと終着できたんだからな、今はゆっくり休め...)」
『(まだ終わっていない。 私は何度でも蘇る、その前にお前が・・・)』
信じられないことだが目の前の闇の書の核が発した言葉がそれが最後の言葉となった
「何度でも蘇る」、その言葉が妙に気になったシュウジだが、
それよりも先にすることがあった
「あ〜、こちらシュウジ。 アースラならびになのはたちへ
作戦終了、完全消滅を確認。 これより帰還する」
アースラからは戸惑いも見られたが、なのはたち地上部隊は
喜びと安堵感でで皆倒れこんでいたみたいだ
シュウジは背中の羽をゆっくりと羽ばたかせ眼下に広がる地球へと降りていった
「・・・いい光景だ。ひとまずこれで一つの物語が終焉を迎えるか。
そして、始まる物語か....、さてどうなるかね(苦笑)」
降下した地上でなのはたちが手をブンブンと大きく振りながら出迎えてくれていた
その姿に一種の感動を覚えながらもその輪に加わっていった...
感想などありましたらよろしくお願いします
これ聴いてます☆
魔法少女リリカルなのはポータル「時空管理局」
とりあえず本編です。
「私がピンチの時は必ず助けに来てね...」
「あぁ、必ずだ...オレが護ってやる...」
「・・・・?
・・・・・・・!!
・・・・・止めろ!
父さんッ! 母さんッ!! レナぁぁぁあッ!!!」
____________________________
ガバッと上半身を起こすと同時にドッと汗が吹き出てくる
手のひらも汗でベトベトになっている
「・・・夢か? クソッ...」
いつも見ている悪夢、それがこの汗と全身にかかる気怠さである
家族を失うことになった忌まわしきテロ事件、それが悪夢の正体である
再びその身を横たえようとしてふと後頭部にかかる柔らかな温かみ、
何か違和感が....
「・・・///
恥ずかしいのだがな、シュウジ」
「・・・あ?」
声は平たいのだがちょっと恥じらいがあるような声が頭の上から聞こえてきた
その方向へ首を動かすと先程まで戦っていた闇の書がオレの顔を覗き込んでいた
僅かに動かした髪の毛の擦れ具合でちょっと身を捩る姿はちょっと可愛かったのは
内緒だ(笑)
「何をしている?」
「・・・見て判らんか? 膝枕だ....///」
「・・・いや、それは理解した。
何でお前がそれをやっているんだ、と聞いているんだがな、『闇の書』よ」
「わたしがお願いしたんよ、お世話になったんやからそのお詫びにな〜(笑)」
闇の書の隣には八神はやて...白銀のバリアジャケットを装備した姿でそこにいた
「八神はやて....。無事に出てこれたようだな...
区切りは着けたようだな...良かった...」
「ご心配をお掛けしました。
それとこの子を救ってくれてホンマにありがとうございます」
はやてはオレにはもったいないくらいの笑顔で御礼を言うが、
やんわりと断りを入れつつもこう答えた
「そのことについてはお前の方が功績が大きいよ。
最後までそいつを信じたお前だからこそ...だ。
ん? お前が此処にいると云うことは...、フェイトは?」
「私ならここにいますよ。シュウジさん」
その隣にはオレの顔を覗き込む形でフェイトとなのはがいて、
一歩外れた所でヴォルケンリッターの面々と見知らぬ男の子がいた
ちょっと慌てた感じに身を起こそうとしたが腕から力が抜け、
また闇の書に倒れ掛かる、それをやんわりと受け止める彼女
体勢がちょっと抱きしめられているようにも見えるこの状況...(汗)
その様子を見ていたシャマルが近づいてきて「動かないで下さい」と注意を促す
なすがまま治療に入るシャマルを見据えつつ、かねてより気になっていた質問を
抱きしめたようにしてオレを支えている闇の書に問う
「そういや何故お前がのほほんと此処にいるんだ?
オレたちは戦っていたはずだが...」
「あ、それは私が説明するね、おじさん」
なのはのおぼつかない説明に、はやて・フェイトたちの体験などを付け加えて
なんとか纏まり...がつかなかったので、仕方なく?ユーノが出張ってきて
説明してくれた。
___要約するとこうだ
オレが意識を手離したあと闇の書は自らの意志で
(取り込まれた主、八神はやてとともに)
夢の中(闇の書が見せていた優しい夢)に取り込まれた主とともに未来を生きる
という決心とともに戻ってきた
フェイトもはやて同様、優しい夢を見続けてたのだが、
あの時オレが言った言葉が聞こえたらしく
記憶が爆発するかのように、突然になのはの事を思い出し
夢の住人たちと別れを告げこちら側へと帰還することが出来たらしい
そして闇の書は主より新しい名前−祝福の風 (リインフォース)をもらい
長年その身を蝕んでいた【闇の書】のプログラムを破壊して本来の自分に戻るために
そして、主はやてに仕える騎士として...
そこで高町なのはに頼み、純魔力砲撃によって防御プログラム自体にダメージを与え
その隙にはやてとリインフォースがシステムを書き換え、管理者権限をこちらに
回すことに成功、リインフォースの中から防御プログラムを排除したらしい
ヴォルケンリッターの面々も真の主として覚醒を果たしたはやてが
守護騎士システムを修復させて元通りにした
みんなで一息ついていたらそこにいる男の子−クロノが登場、
闇の書の防御プログラムが暴走する前に全員でこれを破壊して二度と悲劇が
起こらないように完全消滅させようと決まったところ...
んで、そのときにオレが目覚めたという訳だ...
「はい、シュウジさん。これで動けるぐらいには回復したはずですけど...」
と、シャマルがかざしていたデバイスを退けながら言った
その言葉は本当でさっきまで動けなかった身体が普通に動けるぐらいにまで回復していた
「成る程、これが魔法による治癒か。
なかなかのもんだ。 ありがとう、シャマルさん」
ちゃんと礼をし、立ち上がると同時に控えていた男の子がこちらに来た
「回復してすぐで申し訳ないが、いいでしょうか?」
それについては気にせずに「構わん」と言って話を続けさせる
「今回の事件についてのご協力感謝します。
しかし貴方が支援したせいでこちらにも被害が出ている節があります。
つきましては事件終了後、我が艦までご同行願えますか?」
クロノの言葉になのはたちが反論しようとしたが、
シュウジはそれを手で制しつつそれに応える
「了解だ。 もちろんこちらもそれなりの行動理由があるからな。
それの書類とかも提出したほうがいいのだろう?」
「・・・・。 話が早くて助かります」
「いや、うちのところでも似たようなものだからな、慣れてしまったよ(笑)」
と言うと二人して力なく笑う。
どうやらこういう出来事はどこの世界でも似たようなものらしい...
「あ、申し遅れました。僕はクロノ=ハラオウン執務官です。」
「オレもちゃんと名乗ってなかったな。
んじゃみんなには改めて自己紹介を...
名前はシュウジ=ウォルサム。
元傭兵で、現在はあるところにある組織の番犬だ」
「よ、傭兵って..(汗)」
クロノの紹介に続くようにシュウジが自己紹介をする
しかし傭兵って言葉を聞いた者の反応はイマイチだ
ヴォルケンリッターやリインフォース・クロノ・ユーノは判るが
なのは・フェイト・はやては頭に『???』と付いているみたいだった
「あ〜、判りやすく言うと、お金で雇われた兵隊さんの事だよ」
「・・・簡潔に言うとそうだな、ナイスだフェレットもどき」
「クロノ、キミは変なところで横槍をいれるの止めてくれないか?」
「事実を言ったまでだと思うが...、ゴホン。
話を続けてください」
「あ〜、いいのか? ユーノくんがかなり怒っているようなのだが...」
「いつものことですので気にしないで下さい」
「わ、判った。んで・・・」
ユーノとクロノを交互に見て言ったのだがそれをクロノが一蹴して話を続けさせる
話し始めるオレのすぐ横ではやてが小声で「ユノxクロってのもえぇな〜」って
呟いていたのはスルーしておこう(笑)
「番犬って事はアタシらと同じかい?」
「言葉上の意味で、だ。
先程の言葉で言うなら金で雇われてる雇い主から見ればオレの存在自体が化け物だからな
だから皮肉も取って番犬って周りから言われてるだけだよ」
アルフがザフィーラを指差しながら言ってきたが、
それに害することも無く淡々と事実だけを述べる
「・・・つまりシュウジさんは異世界、なのはたちの世界とも違う第97管理外世界から
やってきた魔導師ってことですか?」
「・・・ぶっちゃけて言えばそんな解釈でオッケーだ。
こちらの世界のある人物からの依頼でな。」
そこでまたも出てくる『依頼』の言葉、それを含ませつつなのはを指さしながら...
「『高町なのはと呼ばれる少女とその仲間たちを護ってくれないか?』という..な」
「わ、わたし?!」
名指しされて慌てるなのはに苦笑するシュウジにフェイトから声がかかる
「でも、なんで『なのはとわたしたち』って限定してるんですか?
何か裏があるんじゃないのかと思うんですけど」
当然な意見だ、特にオレらのような裏の仕事を請け負う連中からの依頼となると
訝しげな依頼も多い、オレの場合だと10件中6件がデマやらオレを恨む連中からの
差し金だったりする
その場合は依頼主共々殺しているけどな...
話が逸れたので元に戻そう___
「まぁ依頼主が明かせないのでな、詳しいことは知らないが多分オレと同類だと思われるな」
「依頼主が明かせない?」
なのはの疑問ももっともだが、それに対してはクロノが答える
「依頼人には守秘義務というものが存在する、それがたとえ依頼者本人に関わることでもだ
なのであって、明かせないということもあるんだ」
「説明ありがとう。 だからさっき言った『同類かもしれない』というのも
あくまで予想だからな。
まぁ腑に落ちない部分あるとおもうが、納得してくれるとありがたい
・・・あぁ、あとひとつ訂正を。オレは魔導師じゃないからな。
これだけは頭の隅にでも置いてくれれば良い...」
みんなためらいがちに首を縦に振る
そんなときを見計らって艦船アースラの通信士であるエイミィから通信が入る
『は〜い、みんな忘れてないかな? あと10分で防御プログラムが活性化するよ
準備だけは怠らないでね!
ちなみにこっちの準備はそろそろ終わるよ、クロノくん』
「そうやった、忘れちゃいけへんかったわ。」
「忘れてたんかい! (ビシッ)」
軽く突っ込むオレに「う〜んナイスや、シュウジさん」と返すはやて、やっぱ関西人だな
まぁここで遊んでいてもしょうがないって事で一堂に緊張が走る
「みんな、もう一度確認するぞ。
なのは、ヴィータ、シグナム、フェイトらがあれの防御プログラムのバリアを撃ち貫く
そして、僕の魔法とはやての魔法で動きを固めたところを3人が一斉砲撃でコレを破壊。
間髪いれずシャマルとユーノ、アルフの3人がアースラまで転送、あとは・・・」
『アースラのアルカンシェルで止めだね!』
全員がクロノに集中し、首を縦に振る
「あ〜、クロノ。オレはなにをすればいい?」
「シュウジさんはみんなの支援をお願いします。 貴方の戦闘力ならば特に問題ないと
判断しましたので。」
「支援だな、了解した。」
クロノに同意するように首を縦に振る
「シュウジ、貴方の力ならば高町なのはたちが苦戦する場面が出てくるかもしれん
そのとき存分に奮ってくれればいいだけの話だ」
「そうや、ぶっちゃけ4層になっている複合バリアを破らない限りは
こっちには防御プログラムのコアどうこうするっちゅーって事はおろか
勝ち目すらないんや。」
リインフォースがフォローするように言い、はやてがそれに続ける
「ま、オレの最大威力の攻撃にはバリア無効化が付加されるからなぁ。
援護できる範囲で何とかやってみるよ...」
これで決まった___、全員が所定位置についたところで
はやてとともにいたリインフォースがシュウジに向かって念話を送ってきた
「(なんだ、そろそろ時間だぞ。)」
「(すまない、どうしても先に話しておこうと思ってな。
防御プログラムを倒した後の話だ。
主はやては私がいなくなっても大丈夫だと思うか?)」
・・・仮の話だがと言うことも付け加えて質問してくるリインフォースに
答えを濁すシュウジ
「(一概に大丈夫とも言えん。この先、お前がいない世界ではやてが絶望するとも
限らないからな。 こんな話をすると言うことはまさかお前...)」
「(言っただろう、仮の話だと。 まぁ私が消える前にお前が何とかしてくれると
信じてるしな///)」
「(言った本人が照れてどうする。 まぁ手が無いわけでもないからな。
だから助けて貰いたい状況になったら必ず言え!
これはお願いではなくて命令だからな!)」
「(あぁ、ありがとう...)」
「(リインフォースのヤツ、何か隠してるか? とりあえず検討事項に入れておくか..)」
念話の後リインフォースが何かを隠していると予想、
コレが終わったら理由を問いただしておこうと頭の片隅に置いておいた....
「リインフォース、そろそろ時間や。 始めよっか!」
「はい、主はやて!
(いまこの時だけは、主のために全力を出す!! そのために雑念は捨てておく)」
「「ユニゾン・イン!!」」
二人が手を取り合い、指をどちらかもなく絡ませ、その身が一つに融合する
その姿は闇の書として戦っていた時とほぼ同じ服装なのだが、若干変化していた
黒主体の騎士甲冑だったものが白銀の騎士甲冑になりその神々しさが増していた
その姿は見ていた者たちを圧倒する、もちろんシュウジも込めて...
だが、その時間も終わりを告げるように海面部分から
障気を伴った火柱が四方に飛び出してくる
その熱さとは裏腹に彼ら・彼女らにのし掛かる暗い空気と得もしれない不安感
それを吹き飛ばすようにシュウジとザフィーラの雄叫びが空を突く!
「雄ォォォォォォオオ!!!」
「破ァァァァアアアア!!!」
裂帛の気合で今にも誕生しようとしている闇の書の闇を牽制とばかりに射抜く
「オオオォォヲヲヲオッヲ」
それに反発するかのように雄たけびで返す闇の書の闇だが、そんなものは効かない!
「いくよ!みんな!!」
なのはの声を皮切りに闇の書の闇への一斉攻撃が始まった...
「先鋒切らせていただく! 行くぞ孔鬼!!カートリッジロード!」
『承知! ロードカートリッジ!!』
「孔鬼...Exprion!!」
『承認、Exprionモード!』
ここぞとばかりに先鋒を切り出すはシュウジ、まずは目の前にある邪魔な触手どもを
斬り飛ばす!
孔鬼へカートリッジロード、ガコンッという重苦しい音ともに
孔鬼斬貫刀が【Exprionモード】へ移行、
続けざまにもう一回【スラッシュ】カートリッジをロード
カートリッジロードした魔力を魔力刃の上からさらにブースト、
漆黒の刃が形成され、5mクラスまで刃が伸びた
それを大きく振りかぶると同時に目の前の化け物とともに海面を抉る
そしてその眼前に広がる触手どもを一刀のもとに斬り捨てる
「見たか、これぞ奥義、カラミティスラッシュだ!」
触手が根こそぎ斬り捨てられて不気味な悲鳴とも叫び声とも呼べぬ咆吼があがる
それを見据えつつ、次は自分だとばかりにヴィータが続く!
「なら次はあたしからだ!! いくぜ、アイゼン!!」
『ja!』
「あたしは鉄槌の騎士 ヴィータ! 夜天の主のもとその力を奮う!!」
自らの相棒の名を呼び、自らも鼓舞する
「カートリッジロード! ギガントフォーム!」
『Gigantform!』
それに応えるは長年付き添ってきた相棒、そして戦友であるデバイス
すぐさま意を汲みその姿を変える
その大きさはヴィータの身長の倍以上の大きさになり、そのデカさはまるで
地上から天を衝くような大きな槍のようだ
それをただ勢いのまま闇の書の闇へと振り落とした
「ブチ抜けッッ! ギガントシュラークッッ!!」
その大きさからは使用者ですら振り回されそうなものだが、ヴィータはそれを難なく
ただ力の限り文字通り、その鉄槌を叩き付けた
その破壊力に最初の装甲と呼べるべき魔力結界は
鏡が割れるかのような音を立てて割れる
「「今だ、続け・・・!」」
「続けていくよ、レイジングハート!」
クロノとシグナムの声が・・・
なのはの声にかき消されるように耳に届く
『ALL Right my Master!』
「高町なのはとレイジングハートエクセリオン!行きます!!」
ヴィータ同様名乗りを上げて自らを鼓舞、それはレイジングハートも同じこと
「私の輝きは誰にも消せやしない! 今までも、そしてこれからも!!
一点集中!エクセリオンバスター!!」
『Cartridge Load! ExcellionBuster standby!』
カートリッジロードからの一点集中砲撃、それはバリアが強固であった闇の書の防御から
学んだなのはの新しい砲撃だった
そのチャージ中を狙うかのように闇の書の闇の触手がなのはへ向かう
「おじさんっ!」
「ッ! 任せろ!」
だが、その前方にはシュウジが待ち構えるように移動していた
なのはの声に合わせるように射線上で、半身の状態で構える
孔鬼Exを弓のように引き絞り、右手は宙を掴んだまま闇の書のへ向かっている
「吹き荒べ、孔鬼・・・」
左手には孔鬼Ex、右手には漆黒の魔力球が...
何かを呟くと同時に右手のそれを前方に放り投げ、構えた孔鬼Exで突き刺す
「ディバインスマッシャー!!」
突き刺した地点から漆黒の雷撃が闇の書の闇と向かい来る触手を飲み込む
本体はバリアのおかげか大したダメージは無かったが、触手は溶かされたように
ジュウジュウと音を立てて崩壊していく
「行け、なのは!」
なのはへの声と同時に射線上から回避、
だがそのわずかな時間になのはのチャージは終わっている
「エクセリオンバスター!!」
発射! 寸分の狂い無く先程シュウジが放った砲撃と同じ場所へ突き刺さる
だがバリアに阻まれなかなか侵食できない
そこにレイジングハートとなのはの声が...
『One point concentration!』
「!! 行けぇッ! レイジングハート!」
先程覚えた砲撃のバリエーション、『一点集中』タイプのエクセリオンバスターが
ビビ割れた部分を集中的に削っていく!
その攻防も数条後にはなのはの勝ちで収まる
貫通した場所からヒビが広がり全体まで広がったと同時にバリアが破壊された
「2つめ!!」
はやての声が...
「次は私が行くぞ! レヴァンティン!」
『ja.』
「私が魅せるは刃の連結刃に続くもうひとつの姿を...」
レヴァンティンを入れる鞘とレヴァンティンの柄頭を合わせるように合致させる
『Bogenform』
カートリッジ1発ロード、レヴァンティンの言葉とともに形状が変化
剣のカタチから弓のカタチへと切り替わった
「我が主の未来を切り開くため、力を貸せ!レヴァンティン!!」
『Jawohl』
魔力で形成された矢を継ぎ引き絞る、それと同時にシグナムの身体より
魔力の高まりとともに足元より炎を帯びてくる
限界まで溜め込んだ魔力とともに矢を放つ!
「貫け、隼!」
『Sturmfalken』
その速度は目で追えないほど、その速さは音速を超えて闇の書へ突き進む
もちろんその速度で迫るものに防御など成し得ないが、
闇の書は自慢のバリアを展開している
だが、それもこの攻撃の前ではそんな余裕なぞ全てが無と帰す
「穿ち落とせ!」
止めとばかりにレヴァンティンを元に戻し、『シュランゲバイセン』で
抵抗を続けるバリアに向かって矢を後押しする
その後押しを受けて更に抵抗を続けるバリアを侵食、爆裂音とともにこれを破壊する
「シグナム、あとは任せて!」
『sir. Load Cartridge!』
最後のバリアを破壊するものとしてバルディッシュ....今のカタチは鎌ではなく
金色の刃を持つ巨大な剣だ
「リニスと姉さんから託されたこの力で闇を斬り払ってみせる!」
金色の魔力刃を振りかぶりまずは一閃!
その一撃でまずはとばかりに闇の書の周りを捕縛する
(これは一種のバインドか..)
「そして、私たちの住む場所を、世界を破壊させやしない!」
その反動を利用して天高く剣を掲げる
その剣に向かって魔法によって展開された雷が刃を通してフェイトへと収束される
フェイトの身体は帯電したような光を持っていた
だが、それもバルディッシュに持っていく
フェイトに帯電していた力をも吸収したバルディッシュはその刃を伸ばしその長さは
先程のヴィータのギガントフォルムよりも大きくなっていた
「撃ちぬけ!雷神!!」
『Jet Zamber!』
それを力いっぱい振り落とす!
バリアに拮抗するかと思えばバリアと刃が激突した瞬間にそのバリアが紙のように
斬り払われ、その勢いのまま本体を大きく切り裂く!
「やった! ダメージが与えられたぞ!」
誰かの歓喜の声が届く中それを遮るように別の声が響く
「感心している場合か! コレからが本番だぞ... 来るぞ!」
その言葉に反応するように闇の書の触手が復活、本体からも次々と砲撃体勢が...
「させん、我が名はザフィーラ、守護の獣!そして主たちを護る楯なり!!」
砲撃よりみんなを護ろうと前に飛び出す影、言わずと知れた守護獣、ザフィーラ
「鋼(はがね)の軛(くびき)! てぁぁあありゃああぁあああ!!」
構えた両手より放たれるはベルカ式の捕縛魔法、
その鞭のような攻撃?で発射体勢にあった触手全てが切り払われる
だが、本体の砲撃準備は止まらない
「本体はオレに任せろ... 」
そこに割り込むはシュウジ、両手には何も持っていない
「漆黒を跳ね除ける光の乱舞、それをお見せしよう!」
天高く両手を掲げその両手に光り輝く光球が生まれる
何色にも染まっていない白く輝くソレを無造作に放ち
「(見様見真似)オレ式必殺 ストナーサンシャイン!!」
それをオーバーヘッドキックで蹴り飛ばす
不規則な弾頭で放たれたソレは少し狙いがズレながらも本体へ着弾
光の柱を轟かせ、本体全体を包み込む
柱が晴れたときにはボロボロになりつつもまだ健在している闇の書
だが、ダメージは大きそうだった
「今だ、この機を逃すものか!!」
そして動くは管理局の切り札と称されるクロノ=ハラオウン
「(リインフォース、やるよ!)」
「はい、主はやて!」
さらにリインフォースと八神はやて
構えていた新デバイス、デュランダル−彼の師がクロノに託した闇の書封印計画で
作り出していた闇の書封印に特化したデバイス
−それを構え、詠唱を始める
「悠久なる凍土 凍てつく棺のうちにて 永遠の眠りを与えよ」
その詠唱とともにクロノに集まる魔力の高まりと氷系魔法特有の冷気が周囲に展開
「わたしたちの住む世界は私たちが護るんや!」
「今まで私に巣食っていた半身よ、今こそ断罪の時!」
「「あなたの罪は私たちが償う、だから・・・」」
涙さえ見せないが声色と表情がソレを物語っている
だが、ひとつ目を瞑った後、目を開けた顔は何かを決意した顔
その決意のまま詠唱を展開する
「「彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け。」」
はやてとリインフォースの声が同時に響く
「凍てつけ! エターナルコフィン!」
「「石化の槍、ミストルティン!」」
クロノとはやてたちの魔法が同時に発動する
エターナルコフィンで海面から闇の書を凍結させつつ、
ミストルティンで上半身から石化させていく
それが全身に伝わったところで本体は音も無く崩れ去る...
誰かが「やった」と声を上げる中、その変化は起きていた
崩れていく身体には目もくれず、新しい身体を構成する闇の書
その姿はおぞましいを通り越して気持ちが悪いという感想
明らかに生物としての強い部分だけをくっつけてみました、というような
出来に反応するはシュウジ
「そんなもんで...オレたちを止めることが出来ると思っているのか?」
だがこの気を逃すほど悠長なものいではない
修復している時間こそ本体の無防備な時
「コレで終わりにするよ! フェイトちゃん!はやてちゃん!」
「うん!」
「はいな!」
「(判ったぞ、高町なのは)」
なのはの声に応えるフェイト・はやて(リインフォース)
それぞれが3方に散ってそれぞれが得意とする魔法の詠唱を始める
だが、偶然なのか必然なのか再生中の闇の書の破片が
なのはへ向かって飛んでいく
一瞬のことだったので誰も反応できていないし、
それに気付けた者もいなかった
一人を除いて...
瞬間移動をしたかのような動きで一瞬でなのはの前に躍り出たシュウジ
その破片を右腕で受け止める...が、
その破片だけでも侵食効果があるのか
受け止めた部分から破片が触手を伸ばし心臓部へ向かって侵食を始める..
「おじさん、それ?!」
「気にするな、そっちはチャージを続けろ!!」
「・・・・うん!」
傷を見つつ、冷静に左腕で侵食を続ける腕を掴んで
力いっぱい引っぱる...
ブチブチッと小気味良い音ともに片腕を引っこ抜いた
つまり自ら片腕としたのだ
引き抜かれた腕からは侵食を続ける闇の書の触手っぽいものまでもが
不気味な動きを傷口から見えていた
「シュウジ、大丈夫か!?」
「あぁ、心配するほどではない。安心しろ」
やはり気になったのかシグナムが近づき、
シャマルが寄ってこようとするがシュウジはそれを手で制する
「それよりもこいつを...
・・・ふん!」
引き抜いた右腕を闇の書へ力いっぱい投げつけ、それを本体に当たると同時に
腕が爆発する
その爆発で闇の書は何かに固定されたかのように動きを全て止めてしまう
・・・シュウジの原動力は■■■■■で出来ているのでその影響を受けている身体は
その属性の力をもっている
なので、片腕だけでもかなりのエネルギーが溜め込まれている為、
暴発した場合その属性の効果が付加されるのである
この場合の属性効果は【空間内の時の進みを一定時間停止】である
「『ディヴァイン』カートリッジ、ロード!」
その隙にカートリッジロード、切り札であるカートリッジを惜しみなく使用
その魔力と氣の回復力で失った右腕を再生させる..
−きぎれた右腕から金属骨格が神経・血管のように形成され、それを防護するように
人工筋肉と皮膚が被さっていく...
1分も経った頃か、右腕は元通りになった
「「「「「「・・・・・」」」」」」
みんなして絶句していた、チャージ中のなのはたちでさえもだ
シュウジからすれば肉体の損傷なんかは日常茶飯事なので、別に気にしていなかったが
さすがに周りの目がそれを異常だと言っているようだった(笑)
「そんなことより、チャージ済んだか?」
「・・・・・。
あ、はい。こっちは終わったよ」
「私も」
「うちもや」
「なら早く撃て。 そろそろ時間停止も終わるからな」
眼下で身動きを全くしていない闇の書をチラリと見ながらそう言い放ったシュウジ
その言葉のとおり、闇の書とその周辺の空間がグニャリと揺れ始めていた
そろそろ効果が切れてくる頃だろう...
「行くよ、レイジングハート!!」
【ALL right! My master!!】
「行くよ、バルディッシュ!」
【Yes.sir】
「うちらも負けてらんないで、行くよ、リインフォース!」
『はい、主はやて!』
三方に散り、それぞれが最も威力の高い魔法を行使する...
「全力全開! スターライトブレイカー!!」
【Starlight Breaker!】
「雷光一閃! プラズマザンバー!!」
【Prazma Zamber!】
「「響け、終焉の笛! ラグナロク!!」」
それぞれが持つデバイスから放たれる必殺の一撃が、闇の書へ
これに対抗する策も無く【時間停止】から逃れたばかりの闇の書へ迫る
次々と爆発する衝撃波と爆発音、そして魔力の高まりが撃ったなのはたちの肌を
チリチリと焦がす...
そして一際大きな爆発音とともに闇の書の身体が爆発、霧散する...
その中に黒き塊のようなものが露出する、これが闇の書の闇の核であろう...
「いまだ!ユーノ」
「お願いや!シャマル!」
「アルフ」「ユーノくん」
クロノ・はやての声に応えるようにフェイト・なのはも自分の使い魔や友達に声を掛ける
「言われなくても!」
「お任せを、はやてちゃん!」
「オッケー! 任せなっ!」
3人が三方に散りほぼ同じタイミングで転送魔法を発動...
「「「目標 アースラ目前!!」」」
核だけを移送させるのでなく、その周辺の空間ごと移送させる
そうすることで万が一の事態にも備えておく必要があったからだ
そのおかげか核を一部たりとも逃す事無くアースラが待機している宇宙へ投げ出した
「防御プログラムの核、あと10秒後にこちらに転送完了します」
「アルカンシェル、展開完了、チャージ率95%...100%!」
アースラのオペレーターたちの報告が矢継ぎ目に上がる
それを受けてエイミィが手元のパネルをすばらしい速度で指を走らせ、
アルカンシェルを展開、迫り来る闇の書の核を待つ..
「来ます!!」
画面を見ていたオペレーターからの声が響き、アースラの目の前に核がその身を現す
ここに転送されるまでの僅かな時間で多少なりともその形状を変化させており
再生能力はこの姿になっても健在だということを思い知らされた
それをスクリーン上で睨み付けるようにみるリンディ=ハラオウン艦長
手元にあるアルカンシェル発射起動キーを空間に出現した発射装置に差し込む
赤から緑に変わったことでいつでも発射できる態勢になった
リンディ艦長は大きく深呼吸したのち、「アルカンシェル発射!!」の言葉とともに
キーを捻る!
アースラの前方に展開された魔方陣からすさまじい威力の砲撃魔法が発射され
闇の書の核を性格に貫いた...
貫いたのち、内部で圧縮され膨張しながらその身を削るように
アルカンシェルがその効果を発揮していった...
誰もがこれで終われる...と思ったその矢先、内部爆発が止まりアルカンシェルが
爆発霧散する
誰しもその光景を信じられないような表情で見ていた
それは地上で見ていたなのはたちも同様だった
管理局が有する最強の切り札とされるアルカンシェルが防がれた以上
これに対抗する策は無いという現状...
誰もが絶望にひしがれていた...一人を除いて...
「防がれたか、やはり...か」
そのシュウジの呟きを何とか聞き取ったのはフェイト、「何故?」と返す言葉も
力無かったような声だったが
「考えてみろ、前回の闇の書が何によって破壊された?」
その言葉をよく知るのはクロノ、父を失うことになった原因でもあるからだ...
「そうか、アルカンシェルで...。 だからか!?」
「そうだ、可能性としてはこれが最有力だと思う」
「でも、アルカンシェルが効かないんじゃ勝ち目ないよ!?
宇宙に飛ばしちゃったからこっちからじゃ手が出せないよ?!」
なのはの叫びに近い言葉もそれほど状況が切羽詰っているからであろう
「まぁそうだな〜、影響が出ないって事で飛ばしたのが仇となったか...」
「リインフォース、「どうにかしてわたしたちを宇宙に飛ばせないんか?」
『申し訳ありません主はやて。 飛ばせても宇宙空間では防御魔法がありません
なので、行った所で何か出来るとは思えません』
「そんな!?」
「(確かにな。 ミッドもベルカも宇宙空間っつーところには行くことなかったろうに
アインスの言葉も真実だろうし...)」
冷静に状況判断するシュウジに通信が入る
通信先は本部基地からだった
『シュウジ、最終奥義の使用を許可します。 宇宙(そら)のアレを殲滅させなさい』
「エリス...。了解だ...、本気出していいんだな??」
『えぇ、本気でお願い。多分アレぐらいの一撃じゃないと倒せないと思うし』
「判った、アースラのほうの根回しを頼む」
『はいはい、判ったわ...ハァ』
僅かな変化を感じ取ったシグナムはシュウジに詰め寄り問う
「何か策はあるのか?」と....
「無いわけでない。
方法は2つ。ここから砲撃するか、直接出向くか、の2択だな
かといってオレは砲撃魔法も持ってないから砲撃案は無し。
・・・オレが選択するのは後者、直接ヤツを叩く事だ」
「直接だと?! 宇宙まで行けるというのか?!」
「宇宙なんぞオレにとっては一つの戦場に過ぎんからな。
時間も無いことだし行って来る、吉報を待ってろ!」
驚きを隠せないシグナムたちを追いやり、
今一度背中に『竜羽翼(ドラゴニックスライサー)』を展開、
すさまじい速度でこの場を離脱する
予備動作が全く無い上咄嗟の出来事で反応の遅れたなのはたちは
それを黙って見送るほか無かった....
シュウジは大気圏を突破、大気圏突破の際に起こる耐熱フィールドを自動で展開
さらに宇宙空間でも活動できるように特殊なフィールドを形成
闇の書の核とアースラの間に割り込むように間に入る
「こちらはシュウジだ。 アースラ艦長リンディ=ハラオウン殿とお見受けする
事前にうちの上司から連絡が行っているだろう。
この場はオレに任せ、撤退しろ」
『・・・アースラ艦長、リンディ=ハラオウンです。
大丈夫なのですか、生身で?』
「こちらの心配はする必要は無い。ただ民間人が戦闘にしゃしゃり出てきただけだ。
なので、たとえやられてもそっちが心配するようなことではないから安心だろ?」
『そういうことを言っているのではなくて・・・・』
「早く撤退しろと言ったろ。 撤退しないとなれば強引にでも撤退させるぞ!
オレの攻撃は周囲50kmが完全崩壊するからな。
最低でも100km圏内には近づくなよ。
警告はしたからな...。 じゃあな!」
一方的に通信を切るとアースラの後方にワームホールを形成させる
アースラにそれに入るように指で指示、
それに従うようにアースラがワームホールへと消える
空間を渡ったことを確認した後ワームホールを閉じ、目の前の標的に集中する
「待たせたな、これで貴様を終わらせてやるよ」
宣言とともにシュウジの身体から燃え上がる炎のような闘気が爆発する!
続いて力をためるように腰溜めの構えから両手を天高く掲げ、
その手の中に太陽のように輝く光球が生まれる
見た目でもかなりの輝きを持っており、
その弾に篭められている威力も容易に想像できるようだ
チャージすること10秒、シュウジは詠唱を開始する..
【我が手に集いしは閃光する輝き 我が身に集いたるは絶対の滅び
我は請う汝の滅びを】
詠うように、世界に染み渡るような声で目の前の愚者への鎮魂歌のように
「これで・・・終わらせるッッ!! 闇の書よ安らかに眠れ...」
光球を野球の投球フォームのように構えて、ブン投げる!
『対極輝衝砲(ソルナール・ライトニングバスター)!!』
・・・シュウジが有する『対極(ソルナール)』系の奥義の一つ
宇宙空間でのみ使用可能、リンカーコアと自身の動力炉を同調させ
限界以上の魔力放出を可能とさせる自己ブーストも兼ねた砲撃
撃った後は一定時間の冷却時間を有するが...
当たった瞬間より光球の輝きがさらに上がる
直視出来ないくらいの閃光とともに熱量が襲い掛かる
熱量は軽く1万度を超えていた
溶けるように消えていく核を眺めつつシュウジは思う
「(やっと終着できたんだからな、今はゆっくり休め...)」
『(まだ終わっていない。 私は何度でも蘇る、その前にお前が・・・)』
信じられないことだが目の前の闇の書の核が発した言葉がそれが最後の言葉となった
「何度でも蘇る」、その言葉が妙に気になったシュウジだが、
それよりも先にすることがあった
「あ〜、こちらシュウジ。 アースラならびになのはたちへ
作戦終了、完全消滅を確認。 これより帰還する」
アースラからは戸惑いも見られたが、なのはたち地上部隊は
喜びと安堵感でで皆倒れこんでいたみたいだ
シュウジは背中の羽をゆっくりと羽ばたかせ眼下に広がる地球へと降りていった
「・・・いい光景だ。ひとまずこれで一つの物語が終焉を迎えるか。
そして、始まる物語か....、さてどうなるかね(苦笑)」
降下した地上でなのはたちが手をブンブンと大きく振りながら出迎えてくれていた
その姿に一種の感動を覚えながらもその輪に加わっていった...
管理外世界の住人 8
週末には間に合った...
頑張っている涼香さんたちにエールを送りつつ、頑張ってください
魔法少女リリカルなのはポータル「時空管理局」
しかしなのは主体で書くとなると「部隊セイバー」というオリキャラSSの題名は合いませんね
どなたか面白そうな題名とか案ありましたらコメントよろしくお願いします〜
では本編です〜
___________________________________
管理外世界の住人 8
「(奥義 『刃速(しんそく)』....)」
口の中で呟き奥義解放を自身に認識させる
海面を滑る波飛沫と闇の書へ迫る道筋が一瞬にして倍増し、さらにさらに増える
それを起こしているのはシュウジただ一人であるのに、だ。
それだけ彼が速く動いているのが判るだろう
だがそれ以上に魅了しているのはその動きである
ただ一直線に進んでいるのではなく、物理法則を無視したような動きで
翻弄していると思えば次の瞬間には少し離れた場所からの魔力砲撃が来るという
攻撃と回避を一体化したようなパターンだ
「(よし、ヤツの目はこっちに向いてきている。
なのはの砲撃と見分け付かないようにとはいえコレを使う羽目になるとはな..)」
とぼやきながらも移動と攻撃を繰り返すシュウジの右腕にはごついライフルのような
銃があった
「孔鬼、接近/移動を任せる、こっちは砲撃/魔力を...」
「判った、シュウジも警戒しろ」
同じ声なのに微妙に口調や話し方が違う
デバイスの『孔鬼』を自身に同化することでマルチタスクのように
2つ以上のことを併用しているのだ
__ 厳密に言うとシュウジは魔導師ではないので同時に出来る行動は難しい
単発攻撃でしか動けないので、対多数戦闘ではこのようにデバイスと同化して
接近戦と中〜遠距離を交互に切り替えて攻撃する
ある意味で奥の手の一つだが、シュウジ自身コレについては出し惜しみしない
むしろ積極的に活用している節がある__
・・・蛇足になるが、彼の剣−孔鬼、元はシュウジの自我意識の一つである
判りやすい言葉で表すなら「負の感情」がカタチとなり別離したようなモノ
でありそれを剣に憑依させたようなものと思っていただければいいだろう
ともかく孔鬼−彼と表記するが、彼と同化すると云うことはかつての自分に
戻ると云うこと、かつて戦場を駈けた歴戦の猛者になると云うことだ
「負の感情」というモノで産まれた彼は成長もする、自身をカタチ作った
その「負の感情」を周りや使用者であるシュウジ自身から喰らうことで
その力を大きくさせることができる
その力をシュウジは『孔魔力』と呼んでいる
これを消費して『孔鬼斬艦刀/斬貫刀』を作り出している
魔力とは違いリンカーコアなどの魔力の心臓部などを全く使わずに使えるというもの
ただし、この『孔魔力』が亡くなってしまうと彼は死んでしまう
(まぁ、ややこしくなるが生体エネルギーと思ってくれ(苦笑))
___ 話を戻そう
その並列作業による全く攻撃方法が異なる攻撃を繰り返しているシュウジに
防御か回避しか選択できない闇の書
その顔には明らかな困惑が出ていた
目の前で起こっている状況に頭は理解していても理性が受け付けていないと
言ったところだろう
−砲撃魔法と超近接戦闘を交互に行う魔導師というものを彼女は
あまり見たことが無いようだ
かつて長い歴史の中で蒐集された魔導師の中には全距離を制した者も
いただろうが、その筋の者とはどこか違う
やはりそれはシュウジが魔導師とは一線を違えているので仕方ないと思う
彼は元戦士だ、それがいつからか魔力を保持するようになったため
現在の戦闘スタイルになっただけなのだ
だから元から魔導師である者との戦略・戦法とは考え方が
全く違っているのは当たり前なのだ
だから彼女はシュウジのことを無意識的に気に入っていた
それは今まで出会ったことが無いようなタイプの人であることと
実際に蒐集してみたいという願望がいい感じに混ざり合ったようなもの
ある意味で惚れてしまった...そんな感情だ
だが、永き刻を過ごしてきた彼女もそんな感情を持つには至らなかった為、
この感情は何なのだろうか?と自問するしかなかった
だからこそ、困惑しているのだろう
目の前の彼を止めるべきか、
それともこのまま私だけをみてくれたら...
そんな闇の書の心境を知らずに攻撃を続けるシュウジだが、
対する闇の書の反撃が無いことがある意味で脅威だと感じていた
「(シュウジ、変じゃないか?)」
「(お前もそう思ったか。 確かに反撃のひとつも無い..何かの罠か?)」
「(今までの戦法を計算に入れるとその可能性も無きに等しいとは言えん)」
「(だろう。 ・・・なのは!)」
こっちも不審な部分があるが、それよりも試してみたいことが出来たので
なのはを呼んでみる
「(何、おじさん)」
「(一発オレを巻き込んでもいいから砲撃魔法撃てるか?)」
「(チャージに5秒もらうけどいい?)」
「(・・・了解!)」
「(一発オレを巻き込んでもいいから砲撃魔法撃てるか?)」
「(チャージに5秒もらうけどいい?)」
「(・・・了解!)」
シュウジからの念話を受け急ぎエクセリオンバスターの発射体勢に入る
「レイジングハート!」
【Excellion Buster Standby】
エクセリオンモードをしっかりと構えターゲットロック!
標的は闇の書と仕掛けているシュウジ..
【master! Is it really good? (本当に宜しいですか?)】
「うん、あの人を信じてる。 だからレイジングハートもお願い!」
−なのはの戦略を信じ、また自ら囮になってまでなのはの攻撃を通そうとする
シュウジの姿にいつの間にか信頼が生まれていた
レイジングハートの不安そうな声を聞いても逆に勇気つけるようなマスターの言葉は
しっかりとレイジングハートに届き、彼女もまた彼を信じてみようと思った
【Yes, my master! Excellion Buster shoot!】
「いくよ、エクセリオン バスター!!」
レイジングハートの切っ先から大出力の桜色の魔力砲撃が迫る!
だがまだ闇の書の目の前には接近戦をしているシュウジの姿がいた
「(おじさん、避けて!)」
「・・・待ってましたッ!」
なのはの念話と砲撃を感じ取りながら待ってましたとばかりに
右腕に持っていた銃を高く掲げたのち叫ぶ
「ヴァニシングランチャー、最大出力!」
「シュウジ チャージ、コンマ0.8!」
「奥義 【刃速】!!」
後方から迫る砲撃から充分引き付けてから肌をカスらせながらも退避しつつ、
確実に当たるようにした後、闇の書の直上へと高く舞いあがる
真下にいる闇の書、それに向かって突き進むエクセリオンバスター、
そしてさらに上空からヴァニシングランチャーと呼ばれる銃を構えるシュウジ
「Vanishingranchar・Burst!」
銃から魔方陣が形成、弾装内のカートリッジ(ブーストカートリッジ)を全弾消費
して放つ大出力砲撃、それが【ヴァニシングランチャー・バースト】だ
ともにバリア貫通の術式が備わっているので防御できたとしてもそれなりのダメージが
期待できる
その砲撃たちを静かに見据える闇の書...
慌てた風も無くただ淡々と術式を開放...、防御陣を張る
しかし、その防御陣が無かったかのようにバリアを侵食する二人の砲撃
それを放ったはずのなのははもう一撃加えようと更に行動を起こす!
「もう一撃! レイジングハート、A.C.S.展開!」
【A. C. S., standby】
「アクセルチャージャー起動...ストライクフレーム!」
【OPEN!】
急速チャージを行うなのは、それに対して足りない魔力をカートリッジロードを
いつも以上に消費する
だが、そのおかげでチャージ時間もそれほど取られずに済んだ
続けざまに突貫時にバスターを通す役目を果たすストライクフレームを展開
チャージを完了させた状態で一気に突貫する、これが...
「エクセリオンバスターA.C.S. ドライブ!!」
先程放ったエクセリオンバスターに追撃するような形で闇の書へ突貫する
それを同じく上空で見ていたシュウジも
「考えることは同じか」と苦笑いしつつもヴァニシングランチャーを虚空へと帰す
再度孔鬼を展開、今度は斬貫刀モードにして身体を弓のように引き絞る...
その動作とともに同化していた「孔鬼」とのリンクをカット、
孔鬼を元のカタチ −剣状態に戻して持てる力のほぼ全てを孔鬼へ収束させる
先程の砲撃ではバリアを崩すことは出来るけど崩壊までは至らない、それは確実
だからそれを感覚で感じ取ったなのははそれに追ずる形で追加攻撃を
しようとしたのだろう、それも確実に通す方法を...
直接バリア障壁を叩くことで純魔力砲撃を与えること....
それはシュウジも同じく感じ取っていたこと
あの防御力の高さは今まで出会った敵のそれとは確実に違う、段違いに高いのだ
あれを破るとするならば意志の強さ、そしてそれに掛ける負荷の高さ、その2つ
それを剣に収束させて突き破ることが出来れば何とかなると踏んだ
(この攻撃が有効打になるということは頭の片隅に置きっぱなしにしているのだが、
それはこの場合無視しておこう)
「我流奥義 『一閃』!!」
弓なりに構えた体勢のまま上空から海面に向けて急速降下、
落下速度もプラスして威力を増す
__突っ込んでくる二人を見据えつつ未だ防御壁を侵食する桜色と漆黒の砲撃
防御を顧みずに突撃してくる二人
「何故こうも抗うのだ..?」と自問しつつもその答えは出ない
だが、彼女の中で変化が現れる
覚醒と同時に自身の闇の中に眠った我が主−八神はやてが彼女と話す
___必死に生きていこうと、苦しんでいるなら私が助けてあげる、
今の名前が嫌なら私が新しい名前をあげる____
そして優しい夢の中に取り込まれたフェイトもその夢の中の住人
かつて自分を捨てた母、プレシア=テスタロッサ、
そしてその娘、アリシア=テスタロッサ
そして、彼女の先生であるプレシアの使い魔、リニスたちとの出会い
その夢は自分には見せたこと無かった笑顔をする母や、
アリシアに振り回される幸せな家族がそこにはあった..
だが、フェイトにはこれが夢だと理性で感じ取っているが心が追いついていない
だからしばらくはこの夢に溺れてみようと少なからず思ってしまった
そのせいかもしれない、彼女を救ってくれた優しい笑顔の少女の事は
いつの間にか忘れてしまっていたことを.....
「貫け! 斬貫刀!!」
「お願い、レイジングハート!!」
闇の書からみて真正面からはなのはが、直上からはシュウジがそれぞれ突撃してくる
自身が展開した障壁に喰らいついて来る砲撃と同じように彼女自身を飲み込もうとしている
だけど___その攻撃は無意味だ___
障壁を展開している手はそのままに、その身を後方へと下がらせる
まずは突撃してくる高町なのはの突撃をかわす為だ
___次はアイツか___
海面を滑るように後方へ退避しつつも上昇、迫ってくるシュウジを紙一重で避けて
追撃されないようにと罠を張り先程シュウジが居た地点よりもさらに高く舞い上がる
雲の上まで抜けた彼女がみたものは光り輝く月の神秘的な輝き___
「綺麗だな、世界も人もこんな輝きを持っていたら私も壊れること無かっただろう...
美しいな、主の心を表しているかのようだ...
だが、我が主の望まない世界、私は世界を破壊するだけに生まれた存在___
例えこの身が滅びても主や守護騎士たちを助けられない___
だから今は何も苦しむことなく破壊する___全てを、私の存在もろとも...」
手を高く掲げる...その手の先に集まるは桜色の魔力光...
それを集められるだけ集める____
「咎人達に、滅びの光を。星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ。」
「あれはスターライトブレイカー?!」
「スターライトブレイカー?」
一撃必殺の攻撃をキャンセルせざるを得なかった二人
特になのはの場合はA.C.S.突撃の衝撃力で少なからずダメージを負っていたからだ
飛び上がった闇の書がしている行動に驚きながらも体勢を再び整えた時だった..
上空へ収束される桜色の魔力..その魔力の収束率を見て胸を押さえつつ
なのはが叫んだのだ
聞きなれない単語にシュウジも反応するが...
「私の使う最大砲撃魔法なの。アレを使うなんて...?!」
「以前蒐集されたのを利用されたか...、しかし威力はかなりあるんだろう。
お前の最大砲撃となると...
かつて目にしたときは結界を破壊するぐらいしか出来なかったが..」
最初この案件に関わったときの最初の事件、なのはが襲撃されたときのことを思い出していた
「うん、あの時はリンカーコアの魔力を蒐集されながら撃ったからあの威力だったけど
いまの状態で撃たれたら___ 」
「間違いなくここら一帯の地形が変わってしまうか___?」
「・・・・うん。」
なのはも顔を青ざめながらもそう言葉を搾り出す
退避しようにも矛先が地球に向けられているため避けたりした場合の被害が
どれくらいになるか判らないというもの考えものである
特に結界が張られているとしても津波が発生して何らかの影響を及ぼすかもしれないからだ
そういうことを考えられるくらい闇の書の魔力収束は時間が掛かっている
「今からこっちもチャージやって間に合うか?」
「・・・・ううん、今からだとタッチの差で間に合わない。
そしたらカートリッジが全部使い果たしてしまうし私も動けなくなる...」
「なら却下か。 分が悪すぎる...」
その時腰に差した孔鬼が言葉を発した
【主、『アレ』は使えんのか?】
「孔鬼・・・。 ・・・『アレ』か、使えなくもないが..エリスの許可がいるぞ」
【許可ならさっき申請しておいた、多分使うんだろうと思ってな】
「お、ありがたい! ・・・聞いているんだろ、エリス承認を!」
『やれやれ、こっちの身にもなって欲しいわね、シュウジ』
シュウジの横に空間モニターが開き「SOUND ONLY」の画面が展開される
そしてエリスの声だけが聞こえてくる
「早く、時間が無いんだ。」
『焦らなくても大丈夫よ。 ・・・・はい、全リミッター解除、確認っと』
「さんくす!」
『ちょっ・・・・』
承認を受けた瞬間にモニターを閉じ、リミッターが解除されているかチェックする
【システム、再起動。エネルギーバイパス、直結。『ランチャー』接続確認
孔鬼、最終形態へ移行。 シュウジ、ペルソナシステムオールグリーン】
頭の中を再度チェック、問題が無いことを確認。
【「シュウジ・ヘクセレン=ウォルサム、いざ参る!」】
孔鬼の声とシュウジの声がハモる
「お、おじさん?」
まったく状況についていけてないなのはだが、それをやんわりと遠ざけておく
「なのは、少し離れててくれ。 目の前のアレを相殺する」
この隙にも魔力と闘気のチャージを始めている..
そして久しぶりの全リミッター解除の威力のほどで被害が
そっちに行かないようにという配慮だ
「あれを相殺って大丈夫なの?」
「本気(マジ)モードのオレに不可能は無い」
自信なさげに言うなのはに対して対照的に自信たっぷりにサムズアップまで
して応えるシュウジ、その姿に一途の賭けをしてその場から退避する
「貫け!閃光! スターライト・ブレイカー!」
掲げた先の光球を更に後方から叩きつけるようにして拳を撃つ闇の書、
その瞬間スターライトブレイカーが発動する
なのはのように直線で進むのではなく広範囲にわたって突き進むため
シュウジも同じような砲撃をしなければ相殺は出来ない
「これで終われる...」
それを放った闇の書は知らずにその瞳からは涙を流していた
「カートリッジロード、『ディヴァイン』カートリッジx5」
背中にはいつの間にかバックパックのような小型のリュックサックのようなものが
搭載されていてその中からシュウジの腕に直結されたバイパス回路を通して
カートリッジがロードされる
「がぁあぁあああ・・・!!」
シュウジの苦しそうな声が響く中、彼の両手の中に金色の光の弾が生まれる
それは魔力とも違う輝きをしている、そしてその密度もだ...
その正体は自身の持つ闘気を集中して固めたものだ
それを約5秒間チャージして虚空へと解き放つ
「対極滅殺波(ソルナール・ファランクス・ブレイク)!!!」
言霊とともにそれを解放、迫り来る桜色の魔力爆撃を迎え撃つ!
互いにこの世界には必要ないものとしのぎを削る...
その攻防も果てしなく長く続いたようにも感じられた、
実際には6秒程度だったが__
そして折りしも決着がつき、金色の光へと飲み込まれていったのは
スターライトブレイカーの方だった
「バカな...あの砲撃を相殺した...?!
・・・!! いつの間に!?」
その砲撃の隙を突き、接近したシュウジ
その背中には機械の骨格で構成された竜の翼、『竜羽翼(ドラゴニック・スライサー)』が
羽ばたいていた
これならば魔力を消費することなく空を飛べるため魔導師相手には役に立つ
そして闇の書の胸倉を強く掴み、顔をしっかりと睨み付けながら叫ぶ
「いつまでも駄々こねているんじゃない! オレたちはお前を助けると言った!
だからその助けようとしているお前が何もかも失おうとしているんじゃねぇ!
本音を言ってみろ! この無限に続く闇から助けてほしいのか!
・・・・どうなんだ言ってみろ!!!」
「わ、私はこの世界に....
(ワタシハ、ホントウニオワラセタイノカ?)」
その剣幕に言葉とは裏腹に何かが呼び戻されていく感覚が浮かび上がってきた
打って変わって優しい口調で話しかけるシュウジ
「おまえの主だって、そんな事許さないと言っているんじゃないか?
それに安心しろ、お前がちゃんと言いたいことを言えば
主ははお前を助け出してくれると思う」
「本当か・・・?」
「他人であるオレよりもお前のほうが主のことを思いやっているんじゃないのか?
判らないなら本人に聞いてみろよ...」
そこで掴んでいた手を離し、今度は優しい夢の中に取り込まれたフェイトに向かって
話しかける
「フェイト、聞いているならオレの声を聞け...
お前は何をやっているんだ? やさしい『夢』で満足か?
お前が望んだものが手に入ったがどうしたい? お前はその世界でぬくぬくと
一生を過ごすつもりか? お前を助けてくれた大事な友達を放っておいて...
お前は恩を仇で返すのかッ!」
言葉一つ一つが棘があるようにも聞こえる、だが、その言葉は全てが真実だ
『夢』というやさしい嘘で塗り固められた世界では所詮は『夢』
楽しいことばかりで悲しいなどといった『喜怒哀楽』の『喜』しか味わえない
悲しい世界だ、一時的に楽しいかもしれないが人を堕落させる空間だと思う
「お前は...」
闇の書も目の前の彼が何を思い浮かべてこんな言葉を言っているのかが
何故か判ったような気がした
「・・・ひとつ昔話をしてやろう。
かつてある家族が居た。家族、父、母、妹と暮らしていた、どこにでも居る幸せな家族だ
だが、突然のテロで父、母、妹を失い、また自身もひどい傷を負い、
世界から存在すら抹消された男が居た...
だが、そんなことで人生に、世界に絶望もしなかった。だが、堕ちたりもした。
男は思ったよ、この命を繋げてくれた大切な人たちへの恩返しや
かつて家族を殺した者たちへの復讐に身を捧げたこともあった。
それらを含めてもまだ『夢』には溺れずに現在(いま)を生きているヤツもいるんだ」
「おじさん...」
なのはにはその言葉の主が誰だかわかってしまった..
彼女もかつて父親を失うかもしれないという場面に遭遇したことがあったからだ
だから理解した、なぜ彼が助けるといったなのはの言葉を臆することなく
手助けしたのかを...
「・・・だから・・・世界に・・・絶望したと思ったのなら・・・」
先程のカートリッジの効果が切れたのであろう
闇の書を見据えていた目線がドンドン下がっていき、だんだんと落下していった
「おじさん?!」
【くっ、こんなときに! 嬢ちゃん、魔力切れしやがったぞ】
落下していくシュウジに向かって急いで駆けるなのはだが落下速度のほうが速い
手が届きそうで届かない..
孔鬼の声も空を翔るなのはには届かない...
だが、落下速度が緩まってきたのだ
よく見ると彼の身体を魔力の輝きが覆っていた
その出所を探し見るとその先には闇の書が...
落下速度をほぼゼロにすると呆然としているなのはを置いて
シュウジへと駆け寄り手を掴み取った闇の書は静かに微笑んだ
「ならば、その言葉をしかと受け止めた...
この世界と主の命、そして私をが護ってくれないか?」
「・・・あぁ・・・
.任せておけ...」
その言葉はシュウジの意識内にしっかりと届いていたようだ
___部隊セイバー本部____
「あらら、さすがは【律を破るもの(ルール・ブレイカー)ね。
まさかこんな結果になるなんて...」
先程からシュウジたちの戦いを本部でこっそりと観戦していたエリス
その声は少々呆れ顔な感じだ
(まぁあの人もこんな結果になるなんて思ってもいなかったでしょうね
ふふっ、 起きた時のあの人の顔が目に浮かぶようだわ..)
ちょこっと加筆修正してみました〜
さて、原作離れしてしまったがこのまま突き進みます(爆)
どこまで頑張れるかわからんけど...
頑張っている涼香さんたちにエールを送りつつ、頑張ってください
魔法少女リリカルなのはポータル「時空管理局」
しかしなのは主体で書くとなると「部隊セイバー」というオリキャラSSの題名は合いませんね
どなたか面白そうな題名とか案ありましたらコメントよろしくお願いします〜
では本編です〜
___________________________________
管理外世界の住人 8
「(奥義 『刃速(しんそく)』....)」
口の中で呟き奥義解放を自身に認識させる
海面を滑る波飛沫と闇の書へ迫る道筋が一瞬にして倍増し、さらにさらに増える
それを起こしているのはシュウジただ一人であるのに、だ。
それだけ彼が速く動いているのが判るだろう
だがそれ以上に魅了しているのはその動きである
ただ一直線に進んでいるのではなく、物理法則を無視したような動きで
翻弄していると思えば次の瞬間には少し離れた場所からの魔力砲撃が来るという
攻撃と回避を一体化したようなパターンだ
「(よし、ヤツの目はこっちに向いてきている。
なのはの砲撃と見分け付かないようにとはいえコレを使う羽目になるとはな..)」
とぼやきながらも移動と攻撃を繰り返すシュウジの右腕にはごついライフルのような
銃があった
「孔鬼、接近/移動を任せる、こっちは砲撃/魔力を...」
「判った、シュウジも警戒しろ」
同じ声なのに微妙に口調や話し方が違う
デバイスの『孔鬼』を自身に同化することでマルチタスクのように
2つ以上のことを併用しているのだ
__ 厳密に言うとシュウジは魔導師ではないので同時に出来る行動は難しい
単発攻撃でしか動けないので、対多数戦闘ではこのようにデバイスと同化して
接近戦と中〜遠距離を交互に切り替えて攻撃する
ある意味で奥の手の一つだが、シュウジ自身コレについては出し惜しみしない
むしろ積極的に活用している節がある__
・・・蛇足になるが、彼の剣−孔鬼、元はシュウジの自我意識の一つである
判りやすい言葉で表すなら「負の感情」がカタチとなり別離したようなモノ
でありそれを剣に憑依させたようなものと思っていただければいいだろう
ともかく孔鬼−彼と表記するが、彼と同化すると云うことはかつての自分に
戻ると云うこと、かつて戦場を駈けた歴戦の猛者になると云うことだ
「負の感情」というモノで産まれた彼は成長もする、自身をカタチ作った
その「負の感情」を周りや使用者であるシュウジ自身から喰らうことで
その力を大きくさせることができる
その力をシュウジは『孔魔力』と呼んでいる
これを消費して『孔鬼斬艦刀/斬貫刀』を作り出している
魔力とは違いリンカーコアなどの魔力の心臓部などを全く使わずに使えるというもの
ただし、この『孔魔力』が亡くなってしまうと彼は死んでしまう
(まぁ、ややこしくなるが生体エネルギーと思ってくれ(苦笑))
___ 話を戻そう
その並列作業による全く攻撃方法が異なる攻撃を繰り返しているシュウジに
防御か回避しか選択できない闇の書
その顔には明らかな困惑が出ていた
目の前で起こっている状況に頭は理解していても理性が受け付けていないと
言ったところだろう
−砲撃魔法と超近接戦闘を交互に行う魔導師というものを彼女は
あまり見たことが無いようだ
かつて長い歴史の中で蒐集された魔導師の中には全距離を制した者も
いただろうが、その筋の者とはどこか違う
やはりそれはシュウジが魔導師とは一線を違えているので仕方ないと思う
彼は元戦士だ、それがいつからか魔力を保持するようになったため
現在の戦闘スタイルになっただけなのだ
だから元から魔導師である者との戦略・戦法とは考え方が
全く違っているのは当たり前なのだ
だから彼女はシュウジのことを無意識的に気に入っていた
それは今まで出会ったことが無いようなタイプの人であることと
実際に蒐集してみたいという願望がいい感じに混ざり合ったようなもの
ある意味で惚れてしまった...そんな感情だ
だが、永き刻を過ごしてきた彼女もそんな感情を持つには至らなかった為、
この感情は何なのだろうか?と自問するしかなかった
だからこそ、困惑しているのだろう
目の前の彼を止めるべきか、
それともこのまま私だけをみてくれたら...
そんな闇の書の心境を知らずに攻撃を続けるシュウジだが、
対する闇の書の反撃が無いことがある意味で脅威だと感じていた
「(シュウジ、変じゃないか?)」
「(お前もそう思ったか。 確かに反撃のひとつも無い..何かの罠か?)」
「(今までの戦法を計算に入れるとその可能性も無きに等しいとは言えん)」
「(だろう。 ・・・なのは!)」
こっちも不審な部分があるが、それよりも試してみたいことが出来たので
なのはを呼んでみる
「(何、おじさん)」
「(一発オレを巻き込んでもいいから砲撃魔法撃てるか?)」
「(チャージに5秒もらうけどいい?)」
「(・・・了解!)」
「(一発オレを巻き込んでもいいから砲撃魔法撃てるか?)」
「(チャージに5秒もらうけどいい?)」
「(・・・了解!)」
シュウジからの念話を受け急ぎエクセリオンバスターの発射体勢に入る
「レイジングハート!」
【Excellion Buster Standby】
エクセリオンモードをしっかりと構えターゲットロック!
標的は闇の書と仕掛けているシュウジ..
【master! Is it really good? (本当に宜しいですか?)】
「うん、あの人を信じてる。 だからレイジングハートもお願い!」
−なのはの戦略を信じ、また自ら囮になってまでなのはの攻撃を通そうとする
シュウジの姿にいつの間にか信頼が生まれていた
レイジングハートの不安そうな声を聞いても逆に勇気つけるようなマスターの言葉は
しっかりとレイジングハートに届き、彼女もまた彼を信じてみようと思った
【Yes, my master! Excellion Buster shoot!】
「いくよ、エクセリオン バスター!!」
レイジングハートの切っ先から大出力の桜色の魔力砲撃が迫る!
だがまだ闇の書の目の前には接近戦をしているシュウジの姿がいた
「(おじさん、避けて!)」
「・・・待ってましたッ!」
なのはの念話と砲撃を感じ取りながら待ってましたとばかりに
右腕に持っていた銃を高く掲げたのち叫ぶ
「ヴァニシングランチャー、最大出力!」
「シュウジ チャージ、コンマ0.8!」
「奥義 【刃速】!!」
後方から迫る砲撃から充分引き付けてから肌をカスらせながらも退避しつつ、
確実に当たるようにした後、闇の書の直上へと高く舞いあがる
真下にいる闇の書、それに向かって突き進むエクセリオンバスター、
そしてさらに上空からヴァニシングランチャーと呼ばれる銃を構えるシュウジ
「Vanishingranchar・Burst!」
銃から魔方陣が形成、弾装内のカートリッジ(ブーストカートリッジ)を全弾消費
して放つ大出力砲撃、それが【ヴァニシングランチャー・バースト】だ
ともにバリア貫通の術式が備わっているので防御できたとしてもそれなりのダメージが
期待できる
その砲撃たちを静かに見据える闇の書...
慌てた風も無くただ淡々と術式を開放...、防御陣を張る
しかし、その防御陣が無かったかのようにバリアを侵食する二人の砲撃
それを放ったはずのなのははもう一撃加えようと更に行動を起こす!
「もう一撃! レイジングハート、A.C.S.展開!」
【A. C. S., standby】
「アクセルチャージャー起動...ストライクフレーム!」
【OPEN!】
急速チャージを行うなのは、それに対して足りない魔力をカートリッジロードを
いつも以上に消費する
だが、そのおかげでチャージ時間もそれほど取られずに済んだ
続けざまに突貫時にバスターを通す役目を果たすストライクフレームを展開
チャージを完了させた状態で一気に突貫する、これが...
「エクセリオンバスターA.C.S. ドライブ!!」
先程放ったエクセリオンバスターに追撃するような形で闇の書へ突貫する
それを同じく上空で見ていたシュウジも
「考えることは同じか」と苦笑いしつつもヴァニシングランチャーを虚空へと帰す
再度孔鬼を展開、今度は斬貫刀モードにして身体を弓のように引き絞る...
その動作とともに同化していた「孔鬼」とのリンクをカット、
孔鬼を元のカタチ −剣状態に戻して持てる力のほぼ全てを孔鬼へ収束させる
先程の砲撃ではバリアを崩すことは出来るけど崩壊までは至らない、それは確実
だからそれを感覚で感じ取ったなのははそれに追ずる形で追加攻撃を
しようとしたのだろう、それも確実に通す方法を...
直接バリア障壁を叩くことで純魔力砲撃を与えること....
それはシュウジも同じく感じ取っていたこと
あの防御力の高さは今まで出会った敵のそれとは確実に違う、段違いに高いのだ
あれを破るとするならば意志の強さ、そしてそれに掛ける負荷の高さ、その2つ
それを剣に収束させて突き破ることが出来れば何とかなると踏んだ
(この攻撃が有効打になるということは頭の片隅に置きっぱなしにしているのだが、
それはこの場合無視しておこう)
「我流奥義 『一閃』!!」
弓なりに構えた体勢のまま上空から海面に向けて急速降下、
落下速度もプラスして威力を増す
__突っ込んでくる二人を見据えつつ未だ防御壁を侵食する桜色と漆黒の砲撃
防御を顧みずに突撃してくる二人
「何故こうも抗うのだ..?」と自問しつつもその答えは出ない
だが、彼女の中で変化が現れる
覚醒と同時に自身の闇の中に眠った我が主−八神はやてが彼女と話す
___必死に生きていこうと、苦しんでいるなら私が助けてあげる、
今の名前が嫌なら私が新しい名前をあげる____
そして優しい夢の中に取り込まれたフェイトもその夢の中の住人
かつて自分を捨てた母、プレシア=テスタロッサ、
そしてその娘、アリシア=テスタロッサ
そして、彼女の先生であるプレシアの使い魔、リニスたちとの出会い
その夢は自分には見せたこと無かった笑顔をする母や、
アリシアに振り回される幸せな家族がそこにはあった..
だが、フェイトにはこれが夢だと理性で感じ取っているが心が追いついていない
だからしばらくはこの夢に溺れてみようと少なからず思ってしまった
そのせいかもしれない、彼女を救ってくれた優しい笑顔の少女の事は
いつの間にか忘れてしまっていたことを.....
「貫け! 斬貫刀!!」
「お願い、レイジングハート!!」
闇の書からみて真正面からはなのはが、直上からはシュウジがそれぞれ突撃してくる
自身が展開した障壁に喰らいついて来る砲撃と同じように彼女自身を飲み込もうとしている
だけど___その攻撃は無意味だ___
障壁を展開している手はそのままに、その身を後方へと下がらせる
まずは突撃してくる高町なのはの突撃をかわす為だ
___次はアイツか___
海面を滑るように後方へ退避しつつも上昇、迫ってくるシュウジを紙一重で避けて
追撃されないようにと罠を張り先程シュウジが居た地点よりもさらに高く舞い上がる
雲の上まで抜けた彼女がみたものは光り輝く月の神秘的な輝き___
「綺麗だな、世界も人もこんな輝きを持っていたら私も壊れること無かっただろう...
美しいな、主の心を表しているかのようだ...
だが、我が主の望まない世界、私は世界を破壊するだけに生まれた存在___
例えこの身が滅びても主や守護騎士たちを助けられない___
だから今は何も苦しむことなく破壊する___全てを、私の存在もろとも...」
手を高く掲げる...その手の先に集まるは桜色の魔力光...
それを集められるだけ集める____
「咎人達に、滅びの光を。星よ集え、全てを撃ち抜く光となれ。」
「あれはスターライトブレイカー?!」
「スターライトブレイカー?」
一撃必殺の攻撃をキャンセルせざるを得なかった二人
特になのはの場合はA.C.S.突撃の衝撃力で少なからずダメージを負っていたからだ
飛び上がった闇の書がしている行動に驚きながらも体勢を再び整えた時だった..
上空へ収束される桜色の魔力..その魔力の収束率を見て胸を押さえつつ
なのはが叫んだのだ
聞きなれない単語にシュウジも反応するが...
「私の使う最大砲撃魔法なの。アレを使うなんて...?!」
「以前蒐集されたのを利用されたか...、しかし威力はかなりあるんだろう。
お前の最大砲撃となると...
かつて目にしたときは結界を破壊するぐらいしか出来なかったが..」
最初この案件に関わったときの最初の事件、なのはが襲撃されたときのことを思い出していた
「うん、あの時はリンカーコアの魔力を蒐集されながら撃ったからあの威力だったけど
いまの状態で撃たれたら___ 」
「間違いなくここら一帯の地形が変わってしまうか___?」
「・・・・うん。」
なのはも顔を青ざめながらもそう言葉を搾り出す
退避しようにも矛先が地球に向けられているため避けたりした場合の被害が
どれくらいになるか判らないというもの考えものである
特に結界が張られているとしても津波が発生して何らかの影響を及ぼすかもしれないからだ
そういうことを考えられるくらい闇の書の魔力収束は時間が掛かっている
「今からこっちもチャージやって間に合うか?」
「・・・・ううん、今からだとタッチの差で間に合わない。
そしたらカートリッジが全部使い果たしてしまうし私も動けなくなる...」
「なら却下か。 分が悪すぎる...」
その時腰に差した孔鬼が言葉を発した
【主、『アレ』は使えんのか?】
「孔鬼・・・。 ・・・『アレ』か、使えなくもないが..エリスの許可がいるぞ」
【許可ならさっき申請しておいた、多分使うんだろうと思ってな】
「お、ありがたい! ・・・聞いているんだろ、エリス承認を!」
『やれやれ、こっちの身にもなって欲しいわね、シュウジ』
シュウジの横に空間モニターが開き「SOUND ONLY」の画面が展開される
そしてエリスの声だけが聞こえてくる
「早く、時間が無いんだ。」
『焦らなくても大丈夫よ。 ・・・・はい、全リミッター解除、確認っと』
「さんくす!」
『ちょっ・・・・』
承認を受けた瞬間にモニターを閉じ、リミッターが解除されているかチェックする
【システム、再起動。エネルギーバイパス、直結。『ランチャー』接続確認
孔鬼、最終形態へ移行。 シュウジ、ペルソナシステムオールグリーン】
頭の中を再度チェック、問題が無いことを確認。
【「シュウジ・ヘクセレン=ウォルサム、いざ参る!」】
孔鬼の声とシュウジの声がハモる
「お、おじさん?」
まったく状況についていけてないなのはだが、それをやんわりと遠ざけておく
「なのは、少し離れててくれ。 目の前のアレを相殺する」
この隙にも魔力と闘気のチャージを始めている..
そして久しぶりの全リミッター解除の威力のほどで被害が
そっちに行かないようにという配慮だ
「あれを相殺って大丈夫なの?」
「本気(マジ)モードのオレに不可能は無い」
自信なさげに言うなのはに対して対照的に自信たっぷりにサムズアップまで
して応えるシュウジ、その姿に一途の賭けをしてその場から退避する
「貫け!閃光! スターライト・ブレイカー!」
掲げた先の光球を更に後方から叩きつけるようにして拳を撃つ闇の書、
その瞬間スターライトブレイカーが発動する
なのはのように直線で進むのではなく広範囲にわたって突き進むため
シュウジも同じような砲撃をしなければ相殺は出来ない
「これで終われる...」
それを放った闇の書は知らずにその瞳からは涙を流していた
「カートリッジロード、『ディヴァイン』カートリッジx5」
背中にはいつの間にかバックパックのような小型のリュックサックのようなものが
搭載されていてその中からシュウジの腕に直結されたバイパス回路を通して
カートリッジがロードされる
「がぁあぁあああ・・・!!」
シュウジの苦しそうな声が響く中、彼の両手の中に金色の光の弾が生まれる
それは魔力とも違う輝きをしている、そしてその密度もだ...
その正体は自身の持つ闘気を集中して固めたものだ
それを約5秒間チャージして虚空へと解き放つ
「対極滅殺波(ソルナール・ファランクス・ブレイク)!!!」
言霊とともにそれを解放、迫り来る桜色の魔力爆撃を迎え撃つ!
互いにこの世界には必要ないものとしのぎを削る...
その攻防も果てしなく長く続いたようにも感じられた、
実際には6秒程度だったが__
そして折りしも決着がつき、金色の光へと飲み込まれていったのは
スターライトブレイカーの方だった
「バカな...あの砲撃を相殺した...?!
・・・!! いつの間に!?」
その砲撃の隙を突き、接近したシュウジ
その背中には機械の骨格で構成された竜の翼、『竜羽翼(ドラゴニック・スライサー)』が
羽ばたいていた
これならば魔力を消費することなく空を飛べるため魔導師相手には役に立つ
そして闇の書の胸倉を強く掴み、顔をしっかりと睨み付けながら叫ぶ
「いつまでも駄々こねているんじゃない! オレたちはお前を助けると言った!
だからその助けようとしているお前が何もかも失おうとしているんじゃねぇ!
本音を言ってみろ! この無限に続く闇から助けてほしいのか!
・・・・どうなんだ言ってみろ!!!」
「わ、私はこの世界に....
(ワタシハ、ホントウニオワラセタイノカ?)」
その剣幕に言葉とは裏腹に何かが呼び戻されていく感覚が浮かび上がってきた
打って変わって優しい口調で話しかけるシュウジ
「おまえの主だって、そんな事許さないと言っているんじゃないか?
それに安心しろ、お前がちゃんと言いたいことを言えば
主ははお前を助け出してくれると思う」
「本当か・・・?」
「他人であるオレよりもお前のほうが主のことを思いやっているんじゃないのか?
判らないなら本人に聞いてみろよ...」
そこで掴んでいた手を離し、今度は優しい夢の中に取り込まれたフェイトに向かって
話しかける
「フェイト、聞いているならオレの声を聞け...
お前は何をやっているんだ? やさしい『夢』で満足か?
お前が望んだものが手に入ったがどうしたい? お前はその世界でぬくぬくと
一生を過ごすつもりか? お前を助けてくれた大事な友達を放っておいて...
お前は恩を仇で返すのかッ!」
言葉一つ一つが棘があるようにも聞こえる、だが、その言葉は全てが真実だ
『夢』というやさしい嘘で塗り固められた世界では所詮は『夢』
楽しいことばかりで悲しいなどといった『喜怒哀楽』の『喜』しか味わえない
悲しい世界だ、一時的に楽しいかもしれないが人を堕落させる空間だと思う
「お前は...」
闇の書も目の前の彼が何を思い浮かべてこんな言葉を言っているのかが
何故か判ったような気がした
「・・・ひとつ昔話をしてやろう。
かつてある家族が居た。家族、父、母、妹と暮らしていた、どこにでも居る幸せな家族だ
だが、突然のテロで父、母、妹を失い、また自身もひどい傷を負い、
世界から存在すら抹消された男が居た...
だが、そんなことで人生に、世界に絶望もしなかった。だが、堕ちたりもした。
男は思ったよ、この命を繋げてくれた大切な人たちへの恩返しや
かつて家族を殺した者たちへの復讐に身を捧げたこともあった。
それらを含めてもまだ『夢』には溺れずに現在(いま)を生きているヤツもいるんだ」
「おじさん...」
なのはにはその言葉の主が誰だかわかってしまった..
彼女もかつて父親を失うかもしれないという場面に遭遇したことがあったからだ
だから理解した、なぜ彼が助けるといったなのはの言葉を臆することなく
手助けしたのかを...
「・・・だから・・・世界に・・・絶望したと思ったのなら・・・」
先程のカートリッジの効果が切れたのであろう
闇の書を見据えていた目線がドンドン下がっていき、だんだんと落下していった
「おじさん?!」
【くっ、こんなときに! 嬢ちゃん、魔力切れしやがったぞ】
落下していくシュウジに向かって急いで駆けるなのはだが落下速度のほうが速い
手が届きそうで届かない..
孔鬼の声も空を翔るなのはには届かない...
だが、落下速度が緩まってきたのだ
よく見ると彼の身体を魔力の輝きが覆っていた
その出所を探し見るとその先には闇の書が...
落下速度をほぼゼロにすると呆然としているなのはを置いて
シュウジへと駆け寄り手を掴み取った闇の書は静かに微笑んだ
「ならば、その言葉をしかと受け止めた...
この世界と主の命、そして私をが護ってくれないか?」
「・・・あぁ・・・
.任せておけ...」
その言葉はシュウジの意識内にしっかりと届いていたようだ
___部隊セイバー本部____
「あらら、さすがは【律を破るもの(ルール・ブレイカー)ね。
まさかこんな結果になるなんて...」
先程からシュウジたちの戦いを本部でこっそりと観戦していたエリス
その声は少々呆れ顔な感じだ
(まぁあの人もこんな結果になるなんて思ってもいなかったでしょうね
ふふっ、 起きた時のあの人の顔が目に浮かぶようだわ..)
ちょこっと加筆修正してみました〜
さて、原作離れしてしまったがこのまま突き進みます(爆)
どこまで頑張れるかわからんけど...


